2月9日、静岡県湖西市に面する浜名湖で男子高校生の遺体が見つかった事件で、県警察本部は殺人事件と断定し、捜査本部を立ち上げた。捜査関係者によれば男子高校生の携帯電話と財布は今なお見つかっていないという。

被害者は男子高校生 死因は溺死

事件に巻き込まれたのは袋井市在住で中国籍の男子高校生(17)だ。

男子高校生は2月4日夜7時頃、家族に「遊びに行く」と言い残し家を出た後、翌5日未明には浜松市内の知人宅にいたことはわかっているものの、これを最後に足取りがつかめておらず、9日夕方、浜名湖の湖面にうつ伏せの状態で浮かんでいるところを発見された。

上空から見た遺体発見現場付近(2月13日)
上空から見た遺体発見現場付近(2月13日)
この記事の画像(6枚)

消防によって陸へと引き上げられたが既に心肺停止の状態で、その場で死亡を確認。司法解剖の結果、死因は溺死と判明し、肺には水が溜まっていた。

顔などにあざ 携帯電話・財布見つからず

ただ、遺体には4日の外出時にはなかったはずのあざも複数あり、こうした状況などから県警は殺人事件と断定し、捜査本部を設置。捜査関係者によれば、あざは顔面からも確認されているそうだ。

捜査本部による会見(2月13日)
捜査本部による会見(2月13日)

また、男子高校生の携帯電話と財布は今も見つかっていないという。

浜名湖を捜索する捜査員(2月13日)
浜名湖を捜索する捜査員(2月13日)

だからなのか、遺体発見現場付近では潜水服に身を包んだ県警の捜査員が連日、水中や湖底を捜索する様子が確認されている。

「誰とでも仲良くする」高校生がなぜ?

男子高校生と同じ小中学校に通い、中学時代は共にバレーボール部に所属していたという2学年下の後輩は、「優しくて、誰とでも仲良くするようないい人。フレンドリーで、後輩とも仲良くしてくれた。ミスをして落ち込んでいる時に励ましてくれるなど、周りを見て声をかけてくれた」と振り返る。

この後輩によれば、男子高校生は交友関係が広かったと記憶しているものの、“やんちゃ”な感じではなく、人から恨まれるような性格でもないという。

このため、今回の事件について「びっくりして信じられない」と絶句した。

捜索の準備を進める捜査員(2月14日)
捜索の準備を進める捜査員(2月14日)

一方、男子高校生のアルバイト先であるガソリンスタンドの店長は、「思い出すのがつらい」とだけ話し口をつぐんだ。

5日はアルバイトを無断欠勤

男子高校生が3カ月ほど前からガソリンスタンドと掛け持ちで週2回程度働いていた飲食チェーンの同僚の話では、3日の昼前から午後3時頃までいつもと変わらない様子で勤務し、5日も勤務予定だったがこの日は時間になっても姿を現さず、7日には男子高校生の母親から店に「息子に関して知っていることがあれば教えてほしい」と連絡があったそうだ。

事件を知り、この同僚が正社員に電話を掛けたところ「行方不明だった」と伝えられた上で「友達のところに行って、喧嘩になって男子高校生が出ていった」と聞いたという。

今のところ、遺体が見つかった現場付近で殺害されたのか、それとも別の場所で殺害された後に流れ着いたのかは判明していない。

浜名湖の捜索は連日行われている(2月14日)
浜名湖の捜索は連日行われている(2月14日)

ただ、解剖の所見からは男子高校生が2月6日前後に死亡したことがわかっていて、遺体が見つかった場所の近くに住む人は1週間ほど前の夜9時過ぎの出来事について次のように証言する。

「いま現場検証をやっている辺りから(声が)聞こえた。ずいぶん騒がしいと思って。この辺は静かなところだから。若い男の子の声。年寄りの声ではない。たぶん2~3人じゃないかな。耳で聞くだけだから姿は見えないんだけれど騒がしいな、なんか言い争っているなと思って」

(テレビ静岡)

テレビ静岡
テレビ静岡

静岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。