監督の知らないところで、第2戦敗戦の危機から女子日本代表を救う“一策”が講じられていた!

会見するバスケ女子日本代表選手ら(13日、千葉県成田市)
会見するバスケ女子日本代表選手ら(13日、千葉県成田市)
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パリ五輪出場を決め、ハンガリーでの世界最終予選から帰国したバスケットボール女子日本代表が13日夜、千葉県成田市で会見。

馬瓜エブリン選手(13日、千葉県成田市での会見)
馬瓜エブリン選手(13日、千葉県成田市での会見)

馬瓜エブリン選手(28)が、第2戦・ハンガリー戦敗北の直後、宮崎早織選手(28)に「お前の吠えが足りなかった。カナダ戦では吠えろ」と“叱咤”された、と暴露。これにより、カナダ戦でチーム鼓舞の“吠え”が復活し、勝利への“貢献”となったことを恩塚亨監督が会見の場で初めて知るという、爆笑の凱旋報告となった。

(記事後半に、会見冒頭で馬瓜エブリン選手が発言した内容を全録しています)

会見連続の爆笑 “エブリン節”炸裂 宮崎ら選手つっこみ“チームプレー”完璧!

男子とともに自力で五輪への切符をつかんだのは、1976年のモントリオール大会以来48年ぶりの快挙という女子日本代表チーム。

花束を受け取った恩塚亨監督(中央)。左はキャプテン林咲希選手、右は大会MVPとなった山本麻衣選手
花束を受け取った恩塚亨監督(中央)。左はキャプテン林咲希選手、右は大会MVPとなった山本麻衣選手

会見冒頭で恩塚監督は「選手たちが本当によく頑張ってくれた。東京五輪の後、勝って当たり前というようなプレッシャーもあったと思うが、負けずに全力でコートに向かってくれた」と選手に感謝の意を示し、「選手たちを誇りに思っている。この頑張りをパリで金メダルに繋げられるよう、私自身も精一杯頑張っていきたい」と決意を語った。

会見する馬瓜エブリン(13日、千葉県成田市)
会見する馬瓜エブリン(13日、千葉県成田市)

一方、この日夕方に成田空港に帰国したばかりの選手たちは、一様にリラックスした和やかな表情。会見で一人一人が思いやエピソードを語る中、馬瓜エブリンがマイクを握り話し始めると、「声がでかい」と選手たちが椅子ごとエブリンから一斉に離れて、会場は大爆笑。惜敗したハンガリー戦の後、「生きた心地がしなかった」、妹のステファニーと話し合った結果「どうやら勝つしかないらしい」と結論を得て腹をくくった、など“エブリン節”が炸裂し爆笑の渦に。ムードメーカーぶりは会見でも健在だった。

チームの“打開”へ宮崎動く「カナダ戦は自分のシュート入んなくても吠えろよ!」

そんな中、馬瓜エブリンは、負けたハンガリー戦の後のミーティングでのエピソードを紹介。

宮崎早織選手。左は吉田亜沙美選手(13日、千葉県成田市での会見)
宮崎早織選手。左は吉田亜沙美選手(13日、千葉県成田市での会見)

ミーティングの中で宮崎早織がエブリンに対し「お前の吠えが必要だ」「お前の吠えがハンガリー戦では足りなかった」と言ったと暴露。会場が爆笑となった。

左から馬瓜エブリン、林咲希、宮崎早織(13日、千葉県成田市での会見)
左から馬瓜エブリン、林咲希、宮崎早織(13日、千葉県成田市での会見)

それを受けて宮崎は、「(エブリンが)ハンガリー戦で一度も吠えなかった」と“主張”。エブリンは笑って「そんなことはない!」つっこむも、「(エブリンはハンガリー戦で)自分の3ポイントが入らなかったら一度も吠えなかった。『カナダ戦は入んなくても吠えろよ!』と言ったら、カナダ戦ではすごく吠えてくれてチームも盛り上がった」と勝利への“貢献”となったと説明。終始爆笑を呼ぶ発言だったが、締めには「改めてチームが一つになったのではないか」とエブリンを賞賛した。

その後、会見で恩塚監督が、「カナダ戦の前に、どうやって勝とうかとコーチでも10時間ぐらいミーティングして、これでいこう、と選手と共有した」と「対策」をとったことを解説。

会見する恩塚亨監督(13日、千葉県成田市)
会見する恩塚亨監督(13日、千葉県成田市)

その上で恩塚監督は「私たちが話しを終えた後、選手たちだけで『まだ残って話したい』と。私が部屋を出た後に、大爆笑が外に聞こえてきて。これがエブリンにユラ(宮崎早織)が言ってくれたことなんだなと、今よくわかった」と、エブリンがカナダ戦で吠えまくった“理由”を初めて知ったことを告白。宮崎に対し会見の場で「ありがとうございました」と話し、選手や会場の笑いをまた誘った。

赤穂もエブリンとの“連携”誓う 「結束」つなぎパリで「金」へ

また、女子のバスケットボールWリーグで馬瓜エブリンと同じデンソーに所属する赤穂ひまわり(25)もエブリンに言及。

赤穂ひまわり選手(13日、千葉県成田市での会見)
赤穂ひまわり選手(13日、千葉県成田市での会見)

「エブリンさんが(世界予選の試合で)すごく盛り上げてくれた時に、代表選手の皆さんがちゃんとひろってたんで、こういうふうにひろえばこう盛り上がっていくんだな、ということがわかった」と語り、ここでも会場は爆笑。選手からはすかさず「何を学んでいるんだ」とつっこみが入り、連携プレーのよさを発揮。「チーム(デンソー)に戻ってもしっかり、エブリンさんを一人にせず、できる限りひろっていけたらいいなと思います」と、エブリンとの“連携プレー”を誓っていた。

左から馬瓜エブリン、林咲希、吉田亜沙美、宮崎早織(13日、千葉県成田市での会見)
左から馬瓜エブリン、林咲希、吉田亜沙美、宮崎早織(13日、千葉県成田市での会見)

和やかな中にも、パリ五輪でのチームの「結束」を改めて誓った女子日本代表選手たち。

写真撮影に応じる日本代表選手ら(13日、千葉県成田市)
写真撮影に応じる日本代表選手ら(13日、千葉県成田市)

Wリーグのそれぞれのチームに戻り活動した後、代表としての合宿を経て、いよいよ7月にパリ五輪本番を迎え、念願の「金」を目指すことになる。

◆馬瓜エブリン選手 会見冒頭の発言全録◆

ーたくさんの応援、非常に…(選手たち笑う)(私)大丈夫ですか?え?声がでかい?声がでかい?そうすね。(周りの選手たちがわざと離れて)離れないで、離れないで(会場爆笑)。(選手から「マイクない方がいい」という声に)いやいやいや、マイクはあったほうがいいです。はい。(会場爆笑)。非常にたくさんの応援をしていただき、ありがとうございました。

会見する女子日本代表選手ら(13日、千葉県成田市)
会見する女子日本代表選手ら(13日、千葉県成田市)

正直、(負けた)ハンガリー戦の後から、生きた心地がしませんでした。ずっと、本当にどうしようと、思っていましたが、そのあとホテルに帰って、妹のステファニーと(話して)、「一人にならないようにしよう」と。一人になると、ちょっと色々考えてしまうので、二人で現実を見ながら、どうやったら自分たちがこのグループリーグを突破することができるのか、というのを色々確認したところ、「どうやら勝つしかないらしい」と(選手、会場笑)。もう、これは勝つしかないというのをステファニーと確認したあと、腹をくくりました、本当に。

で、今までの日本でのバスケットの人気だったりとか、日本でこうやって非常に多くの方々がバスケットに注目していただいていると思うんですけど、男子をはじめ女子も、東京オリンピックから始まっていると思うんですけど、この人気っていうのは、リオから始まって、東京五輪、男子のワールドカップと続いてきた中で、私たちがここでオリンピックに行けないっていうことが起きてしまうと、私たちだけでなくて、バスケットを頑張っていきたいと思っている子供たちのためにも繋いでいかないといけないと。その繋がりというのを決して途切れされてはいけないと思っていたので、そういう意味でも、私たちがここでなんとかカナダに勝たなくていけないと思いました。

で、本当に勝てて良かったというのもひとつあるんですが、この要因として、ひとつ、私の中のエピソードの一つとしては、ハンガリー戦の後のミーティングですね。で、宮崎(早織)選手が、ええ、原文そのまま言わせてもらいますが(選手、会場笑)、「お前の吠えが必要だ」と(選手、会場笑)。「お前の吠えがハンガリー戦では足りなかった」と(選手、会場笑)というふうに言ってもらえたので、そういう意味では、同級生にすごく励まされた大会だったと、自分では思っています(宮崎選手笑)。

そして、自分ごとではありますが、妹のステファニーと最初で最後の大会にしたくないなと思っていたので、そういう意味では、次のパリのオリンピックに向けて、姉妹で切磋琢磨できたらいいなと思っています。本当にありがとうございました。ー

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