博多の台所といわれる美野島商店街(福岡市博多区)。昭和の香りを色濃く残す古き良き街並みが残る中、近年、増えているというのが、麺料理の専門店。いま増殖中なのだ。

こだわりの自家製麺を堪能できる一杯

番組が調べたところ、全長約330メートルの美野島商店街で、麺料理を提供している店は12店舗。そのうちの5店舗が、この3年間で新規にオープンした店だ。

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2021年にオープンの「吟麦製麺」は、製麺所を併設し、麺の卸や小売りも行っている。そのため、この店では「中華そば」から「ざるそば」までジャンルを問わない麺料理を提供。

「ショウガみそラーメン。ちぢれ麺1玉です」と差し出されたこだわりの一杯。寒い季節に体を温めてくれるショウガがたっぷりだ。

自家製麺が自信だという味。テレビ西日本の赤木希アナウンサーが試食した。

赤木希アナウンサー:
ちょっと太さのあるちぢれ麺。麺がもちもちですね。コクのあるみそのスープがしっかり絡んで、濃厚なんですけど、そこにショウガがさっぱりしてくれますね。冬にぴったりの濃厚、かつサッパリおいしいラーメンです。

製麺所の特性を生かし、ラーメンの種類に合わせてストレート麺など3種類の麺が選べる。定番メニューの中華そばは、それぞれの麺で舌触りを楽しむことができる。

「吟麦製麺」・園田直希会長:
うちは自家製麺でやらせてもらっているので、麺には自信があります。やっぱり麺の良さを知ってもらいたいんですよ。オリジナルブランドの小麦粉を使ってるので、その「小麦粉の良さを知ってもらいたい」という意味でこの店を始めたので。

製粉会社と共同開発した栄養価の高い「吟麦」を使ったこだわりの麺料理。小麦本来の「味」「香り」を知ってもらいたいとオープンして3年。麺料理を提供する店が増えていると実感している。

2022年8月にオープンした「つけ麺 鉄生」は、福岡と東京で10年間修行を積んだ店主が作るつけ麺が人気だ。魚介豚骨のスープに太麺が絡む。

店主のおすすめはトッピングにめんたいこで味変。ピリッとしたアクセントが加わる。

若い世代を中心に広がる盛り上がり

「麺ロード化」している美野島商店街。なぜ、ここに集まってくるのか?

「美野島商店街」羽根正義・副理事長:
イベントを積極的にやっているので、若い年齢層のお客さんが、増えてきているのかなと思っています。それと含めて、やっぱり出店をしやすい環境。建て替えも多いし、古いお店に関しては家賃も安いしというので、出店しやすいのかなと思います。

美野島商店街ではマルシェやフリーマーケットなど、定期的に商店街全体で行うイベントを実施。若い世代が訪れることで、活気に魅力を感じた飲食店が増えたという。

「美野島商店街」羽根正義・副理事長:
目的の店が、並んでいるから他のお店に行く。ちょっと他の店も見てみようって人は多いと思います。ラーメン好きな人は遠くからやって来る人も多いので、そういう人たちに商店街を知ってもらうのは大事かなと。

若い世代が足を運び情報を発信。その味を求めて遠方から来る客が商店街を巡る。イベントを通じて盛り上がりが広がっているという。

2023年1月にオープンした辛麺の専門店「辛麺&餃子一赫」は、宮崎発祥の辛麺を福岡の人に合わせて提供している。

店長の内野民子さんも「毎日、いろんな方が来られるので、すごく楽しい」と美野島商店街の魅力を実感している。

「辛麺&餃子一赫」内野民子・店長:
もともと「辛麺」は、宮崎県発祥なんですけど、博多でやるなら博多らしいテイストを入れつつ、と思って。麺も宮崎はちぢれ麺なんですけど、細麺にして特別に作ってもらっています。

ピリッと辛くてまろやかな後味

スープも豚骨を少し加え、博多風にアレンジされた辛麺の味は…。

赤木希アナウンサー:
おいしいです!まずはピリッとした辛さがくるんですけど、後味がまろやかで甘みもあるようなスープなのでバランスもよくて、すごく上品な、新しいかたちの辛麺です。

新たなジャンルの麺料理店が増える美野島商店街。この盛り上がりに内野店長は「もっといろんな麺が増えると楽しいかなと思います」と笑顔をこぼした。

(テレビ西日本)

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