冬の間は冬眠しているはずのクマだが、秋田市では2月に町中に出没するという異常事態が起きている。
2023年度のクマによる人身被害は、過去最多の218人(死者6人含む)。
環境省は8日クマを「指定管理鳥獣」追加する方針案を決定したが、関係者に賛否の声が上がっている。

体長1mのクマが物流倉庫に

6日、秋田市の物流倉庫で体長1mのクマ一頭が見つかり、倉庫内に留まったまま、既に50時間以上が経過している。

この記事の画像(7枚)

クマが倉庫内に居座り始めて3日目。市は罠を仕掛けるなどしているが、捕獲には至っていない。
このクマによる怪我人は確認されていないが、全国的に見ると2023年度のクマ被害は過去最悪の状況だ。

環境省によると、2023年度のクマによる人身被害は、19道府県で死者6人含む218人に上り、過去最多となっている。

「指定管理鳥獣」追加方針に賛否

こうしたことを受け、環境省の専門家検討会は8日、クマを「農産物や生活環境に被害を与える野生動物」とする指定管理鳥獣に追加する方針案を決定した。

正式に指定管理鳥獣に追加された場合、クマの捕獲や捕獲従事者の育成などに対し国から交付金が支給される
この決定について、人々の生活を守る立場の秋田県猟友会は必要な措置だと話す。

秋田県猟友会・佐藤寿男会長:
これだけ(クマの目撃情報が)増えているし、人身事故もあったことだし、やっぱり必要な処置だと思いますので、私自身は賛成です

しかし、クマとの共存を訴える日本熊森協会は、クマの捕獲強化そのものに異議を唱えている。

日本熊森協会・室谷悠子会長:
生息地と餌場の問題をどうするのか、突発的な人とクマとの遭遇を防ぐような草刈りであったり、誘引物の除去とかそういうことにこそ予算をかけるべき

環境省は、クマの生息状況のモニタリングを強化しクマの保全にも対応するとしている。
(「イット!」 2月8日放送より)