共働き家庭にとって切り離せない、突然の子どもの体調不良。福岡県では「病児保育」の無償化を2023年にスタートしたが、なかなか予約が取れないという声も聞かれる。その救世主となるべくスタートした、ある企業のサービスを取材した。

いざというときに「予約取れない」

「当日しかできないとか、朝8時から先着順とかで予約を諦めてしまって」「無償化になったことで利用者が増えて予約が取りづらい」など、子育て中の共働き家庭から聞こえてくるのは、子どもが急な病気の際に病院併設の施設などで一時的に預かってもらえる、いわゆる「病児保育」の予約が取れないという声だ。

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福岡県では、病児保育の無償化を2023年4月にスタートしている。「無料」で利用できるようになった半面、いざというときの予約が取りづらくなっているのだ。

この日、取材班は福岡市東区に住む原薗佑介さん宅を訪ねた。
原薗さんは、1歳の亮守くんと妻の絵里奈さんの3人家族だ。夫婦ともに仕事を持つ「共働き家庭」で、亮守くんは保育園に通っているが…。

原薗佑介さん:
亮守がきのうの夕方くらいに保育園で「38度くらい熱が出た」というので、また熱が上がっちゃうかもしれないので、そういった場合「迎えに来てくれ」と言われて、なかなかきょうはその対応が難しそうだったので…

この日の亮守くんは、せきや鼻水が多く、体調は万全とはいえない状況だった。しかし、妻の絵里奈さんはすでに出勤し、原薗さんにもどうしても外せない仕事があった。
子どもの体調不良は、共働き家庭にとって頭を悩ませる問題のひとつだ。

ピンチを救う「病児シッター」

そこに訪れた一人の女性。原薗さんが利用している「病児シッター」の派遣を行う会社「KIDS LEAF」の一木綾華保育士だ。
病児シッターの派遣会社は、福岡ではまだ珍しい存在だ。

亮守くんの体の状態や着替えが置いてある場所などを伝え、亮守くんをシッターの一木さんに託す原薗さん。亮守くんを気遣いながら仕事に出かけた。
残された亮守くんは、せきが止まらないようすだったが…。

亮守くんと一緒に絵本を開く一木さん。泣いていた亮守くんも一木さんの優しさに触れ、わずか数分で機嫌を直し、遊び始めた。

「KIDS LEAF」は、病児保育の無償化で予約が取りづらくなった状況をみて2023年10月、福岡市内を対象に病児シッターの派遣をスタート。

料金は、スタンダードプランで月会費が9,800円、毎月初回の利用料が1時間あたり500円、2回目以降は1,800円となっている。
県の病児保育無償化の助成が適用され、1回の利用ごとに上限2,000円が割り引かれる。

また、当日の朝8時までの予約には、100%対応している。

“専門の研修”受けた保育士らを派遣

KIDS LEAF・一木綾華保育士:
体温は、小さい子だといきなり「がっ」と上がったりするので、ちょっと横になり始めたなとか、ささいな変化には気を付けています

派遣されるのは、病児専門の研修を受けた保育士や看護師だ。1時間に1回、体温をチェックするほか、こまめに様子を記入する。

鼻水やせきは出るものの、絵本を読んだり遊んだりしていた亮守くんだが、眠そうなそぶりをみせた。
早速、寝かし付ける一木さん。眠った亮守くんの背中を軽くトントンとたたく。
窒息死を防ぐため、年齢に合わせて5分から10分に一度、呼吸しているか確認する。

そして…、亮守くんが目覚めて遊んでいると、父親の原薗さんが帰宅した。

KIDS LEAF・一木綾華保育士:
せきも朝に比べると、いまの方が、ちょっと頻度が増えたかなと感じています

シッターの一木さんからこれまでの様子を聞き、この日の利用は終了した。
「バイバイ」と手を振る一木さんに亮守くんも名残惜しそうだった。

原薗佑介さん:
周りからは結構、聞いてたんですけど、「すぐ保育園から呼び出される」って。こういうサービスがあったので、それを利用することで仕事もできるようになったので、非常にありがたいですね

共働き家庭にとって、子どもの体調不良は切り離せない問題だ。今後、「病児シッター」は福岡でも選択肢のひとつとして広がっていくかもしれない。

(テレビ西日本)

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