これまでの人生で「人間関係」をリセットしたことはあるだろうか?

クロス・マーケティングが全国の20~79歳の男女2400人を対象に実施した1月の調査では、過去に「人間関係をリセットした」経験を持つ人は41%いることが分かった。

この調査では、「人間関係リセット」を“自ら長期的に連絡を絶つこと”とし、過去に「人間関係をリセットした」経験がある人は男女別では女性が、年齢別では50代が高めで、どちらも46%。そして、今後「人間関係をリセットしたい」人がいる割合は全体で26%だった。

人間関係のリセット経験と今後のリセット意向(提供:クロス・マーケティング)
人間関係のリセット経験と今後のリセット意向(提供:クロス・マーケティング)
この記事の画像(5枚)

実際に人間関係をリセットした間柄では「友人・知人」が最も多く54%、次いで「職場の人」「同級生・学生時代の先輩・後輩」で2割台だった。

リセットしたきっかけは、家族・親戚関係では「遺産相続」「金銭問題」、友人・知人は「面倒/うっとうしい」「価値観や性格が合わない」、職場は「面倒・関わりたくない」「パワハラ・いじめにあった」という声が聞かれた。

人間関係のリセットの方法は?

そして、具体的にどのようにリセットしたかについては、「電話帳の連絡先を消す」「一時的に音信不通になる」「LINEの返事をしない・見ない」「はがきでの連絡をやめる」「メールの返事をしない」が2割台。

LINEを含むSNSでのリセットは、20~30代を中心とした若い年代で高かった。

「電話帳の連絡先を消す」「携帯電話・スマートフォンを新しくして、連絡先を知らせない」という連絡先を絶つ方法は40代で多かった。

人間関係のリセット方法(提供:クロス・マーケティング)
人間関係のリセット方法(提供:クロス・マーケティング)

今後、人間関係をリセットしたい人は、「友人・知人」「職場の人」が3割台という結果に。

「友人・知人」「同級生、学生時代の先輩・後輩」は女性20代、「親」は男女ともに20代、「兄弟・姉妹」は男性70代、「近隣・地域の人」は女性70代でリセット意向の高さが目立った。

今回の調査結果から人間関係リセット経験者は「女性と50代の割合が高め」ということがわかったが、この理由は何なのか?また、人間関係をリセットすることを、私たちはどのように考えればいいのか?

クロス・マーケティングの担当者に聞いた。

女性と50代の経験者が多い理由

――「人間関係のリセット」に注目して、調査を行った理由は?

2021年12月に初回の調査を行いましたが、その際はコロナ禍であり、対面が難しい時期での「人間関係」はどのようにあるべきなのかを探りたく、調査テーマにあげました。

また、特に若い世代で、インスタやX(旧Twitter)のアカウントを削除し、非リアルの人間関係をリセットする傾向も見えたので、「人間関係リセット」の設問も入れ、調査を実施しました。


――人間関係のリセット経験者として、女性と50代の割合が高めの理由は?

女性では、20代を除く、30~70代のリセット経験者は4割を超えます。全般的に男性よりも女性の方が、交流関係が広く、人も多いため、経験者が多くなっていると言えます。

男性50代のリセット経験者は42%、女性50代のリセット経験は50%と、いずれも50代が最も高い数値です。

50代は、残りの半生をどう生きていくかを漠然と考え始める年代です。結婚し、子育てが手離れし、仕事もこれから先、何歳まで働こうかと思い始める、ターニングポイントの年代です。

友人・知人とのリセットが最も多い中、男性では職場の人、女性ではママ友などの数値も高く、お別れしやすい機会を迎える年代ともとらえられます。

イメージ
イメージ

――「リセット経験者は41%」「リセットしたい人がいるは26%」という結果をどのように受け止めた?

言いかえると、4人に1人がリセットしたいと思う人と、現在もお付き合いをしているということになります。

ある程度は我慢しながらお付き合いをしていて、耐えることができずにリセットした人が41%、現在なんとか耐えている人が26%と考えております。


――人間関係をリセットすること、どう思う?

“良い悪い”の判断はできませんが、リセットすることで、何かしらの重圧から逃れられたのであれば、それもよし。リセットすることで本当の意味での相談相手と離れてしまったのであれば、それは寂しい顛末だと思います。

イメージ
イメージ

取材で特に印象に残ったのは、「リセットすることで、何かしらの重圧から逃れられたのであれば、それもよし、リセットすることで本当の意味での相談相手と離れてしまったのであれば、それは寂しい顛末」という分析だ。

今、リセットしたい人物がいる人は、その人物が自分にとって、どんな存在なのか、よく考えて決断してみてほしい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。