2020年、長野県宮田村で起きた銃撃事件で、重要指名手配されていた暴力団幹部の男が逮捕された事件の続報。男が潜伏していたアパートから拳銃が押収されていたことがわかった。警察は犯行に使われたものか調べている。
「絆會」幹部・金成行容疑者
2月2日正午ころ、長野県内の警察署を出る車。
午後1時前に金容疑者を乗せたとみられる車が地検の支部に入った。
1日、殺人未遂の疑いで逮捕された指定暴力団「絆會」幹部・金成行容疑者(55)。

2020年9月、宮田村で暴力団関係者の男性のわき腹を拳銃で撃ち、殺害しようとした疑いが持たれている。
金容疑者はその後、逃亡。
警察が全国に重要指名手配し、捜査していた。

アパート内から拳銃と実弾を押収
事件から3年以上たった2月1日、警察は潜伏先の仙台市内のアパートで金容疑者を逮捕した。
捜査関係者によると、金容疑者は2023年からアパートで暮らし、部屋は法人名義で契約されていたという。
また、家宅捜索でアパート内から拳銃と実弾が押収されていたことが分かった。警察は犯行に使われたものか調べている。

「六代目山口組の分裂を背景に」
今回の事件、警察庁の露木長官は「六代目山口組の分裂を背景に起きた」と1日の会見で述べた。
警察庁・露木康浩長官:
「組織的な背景を含む事件の全容解明、対立抗争の解消に向けて努力していく」

2018年12月、指定暴力団「絆會」の前身・「任侠山口組」が上田市内で開いた会合。
織田絆誠会長らが出席するなか、金容疑者とみられる男の姿もあった。
当時、一連の分裂や離脱もあり、県警は厳重な警備体制をとっていた。

金容疑者は「ヒットマン」か
山口組は2015年に分裂、神戸山口組が結成された。
その後、神戸山口組から離脱する形で任侠山口組・現在の絆会ができた。
宮田村の銃撃事件も、被害者の男性が別の組織へ移籍することをめぐるトラブルが原因とみられている。

捜査関係者によると、金容疑者は襲撃の実行役・「ヒットマン」とみられていて、警察は事件の経緯や逃亡中の生活などについても詳しく調べる方針だ。

(長野放送)