自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。

「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、こんなお話。

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その気遣い、いつ学ぶの?記事の続きをチェック!
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「嫌いな食材を使った料理を出したのに、『おいしいかもしれないから、少しだけ食べるね』『ちょっとだけおいしいね』と、『まずい・嫌い』などの言葉を使わないところに気遣いを感じた!」

苦手な食材や味付けの料理を食べたら「うえー、まずい!」と言いたくなってしまってしまうこともあるはず。ましてや子どもなら大きな声で「これ、嫌い!」と言ってしまうこともあるだろうけれど、実は子どもは子どもなりに“気遣い”しているよう。

パパママが作ってくれたごはんだから、本当は「嫌い!」と言いたいのをグッと我慢してくれる気持ちは嬉しいけれど、いつの間にそんな優しさを身につけたの?
そして同時に「子どもなんだから、そんなに気を使わなくていいのに…」と心配になってしまうパパママもいるはず。子どもたちの“気遣い”はどう受けとめたらいい?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

「子どもを尊重する」親の言葉が気遣いの芽に

――「嫌い」「まずい」などの言葉を使わない…子どもが“気遣い”を覚え始めるのはいつ頃から?

「他者も心を持っている」と理解し始めるのは、かなり早い時期と言われています。「他者が自分とは異なる思いや考えを持つ」ということを理解しているかどうかを測る実験では、3歳の子では難しかったことが、5歳くらいになるとできるようになることが知られています。

とはいえ、今回のテーマである「気遣い」というのは、さらに高度な思考のレベルが求められますので、5歳の段階ではまだ成長過程にあると言えます。

基本的に大人は「相手が何を考えているか」「その状況をどう思うか」などを思いめぐらし、その理解に応じて発言したり行動することが多いですが、子どもが大人のような思考になってくるのは小学校の半ば過ぎです。9~10歳は成長の質的転換期とも言われていて、客観的、論理的な思考が伸びてきます。それに伴い、相手の立場に立った想定で物事を見たり、一歩引いた目線で俯瞰したりする力が成長するので、気遣いも自ずと上手になってくると言えます。


――子どもは一体どうやって“気遣い”を学ぶの?

物事を引いて見る、俯瞰的な見方は成長とともにできるようになってくるものですが、中にはごく幼少期から気遣いのある言葉が出る子もいます。

人間は相手の出方に似た形で反応を返すことが多く(例:親が怒鳴れば、子どもも怒鳴る。親が笑うと、子どもも笑うなど)、各家庭それぞれ、そのお家の“トーン”があるものです。“気遣い言葉”に関しても、おそらくは周囲の大人が配慮ある声かけを努めていて、そこから学んでいるのでしょう。

気遣いのある言動や行動というのは、基本的に相手をリスペクトした行為ですから、子どもを尊重する親の声かけが多ければ、子どももそれを自ずと吸収していくものです。

あとは、その後の親のリアクションも影響していると思います。「まずい」と言わずに、「ちょっとだけ美味しいね」なんて言われたら「〇〇ちゃん、優しいねぇ」とにっこり笑顔で声をかけたくなりますよね。そうなれば、子どもも嬉しいですから、“良いこと”としてインプットされやすいと思います。
当然ながら、接している時間が長い人の影響力が大きくなりますので、一般的には両親、あとはおじいちゃんおばあちゃんや園の先生方などからも影響を受けると思います。


――「気を使う子ども」がちょっと心配…どう受け止めたらいい?

たしかに、私の相談室でも「子どもに気を使われているのかもしれない」と気にされる方がいらっしゃいます。基本的には「優しい子だなぁ」とそのまま前向きに受け止めていいと思いますが、もし気になってしまった場合は、何か気になる節があるからそう感じたのかもしれないので、普段のやりとりを振り返る機会にするのもいいと思います。

私がよく聞くのは「子どもが親の顔色を見るようになってしまった」というお悩みです。もし子どもが、思ったことをそのまま口に出せないような空気が家庭にある場合、それは気遣いというより「怖くて本当のことが言えない」ということになります。もし怒っているときの姿がものすごい怖いとか、いつも冷たい顔で接してしまっているなど、子どもが委縮しかねない状態がある場合は、そこを改善していこうとすることが大切です。
怒りのコントロールは簡単なことではありませんが、子どもが大人の顔色を伺う状態というのは、その子の今後にも大きく影響しかねないので、なんとか改善を図りたいところです。

逆に、ふだんから“まあまあいい感じ”に過ごせていての気遣い発言であれば、悩むことなく、良い方に捉えていいと思います。

子どもたちの気遣いある言動は、親の行動の“鏡写し”。
相手の立場に立って、相手を“思いやる”言動ができるようになるのは小学生の半ばごろだそうだが、もしもっと小さいうちから気遣いのある言動が見られたなら、それはパパママや周囲の人たちが「子どもを思いやる・気遣う言動」をしている…ということでもあるのだろう。

そして、子どもたちのそんな“気遣い言葉”は、「子どもらしくないかも…」と心配せずに、基本的にはそのまま「優しさ」として受け止めてOK!ただし、可能性として「子どもが思ったことを口に出せずにいる」場合もあるので、子どもたちとのコミュニケーションを振り返る機会にしてみてもよさそうだ。

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※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。