自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

この記事の画像(9枚)
「大好き」コールに込められた気持ちは…記事の続きで解説!
「大好き」コールに込められた気持ちは…記事の続きで解説!

「『ママ大好き!』とたくさん言ってくれる子どもたち。嬉しいのだけれど、怒られた後や寝る前など、決まった時に『ママ大好き』と言われると、ちょっと不安に……もしかして、寂しい思いをさせている?」


かわいい子どもたちからの「ママ大好き!」「パパ大好き!」の声は何より嬉しいもの。でも、叱られたあとの泣きべそ顔で言われたり、寝る前に決まって言われたりすると、ちょっとズキッとしてしまう…
「寂しいから気を引こうとして言ってるの?」「もしかして、叱られたことを気にして、大好きと言ってくれてるの?」などなど、つい考え込んでしまうパパママもいるだろう。

子どもたちの「大好き」コールには、何か隠されたサインがあるの?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。


――「ママ/パパ大好き!」には、何か隠れた気持ちがあるの?

私もたまに聞くのが、「ママ大好き」とたびたび言われると、なにかその背後にあるのではと心配になってしまうというご相談です。「別のサインが隠れているのでは」「不安の裏返しでは」などと心配になってしまうようです。

しかし一般的に小さい子が、「ママ/パパ大好き」と言う場合は、ご家族の中でそういうコミュニケーションが多く取られているケースが多いように感じています。つまりママが、「○○くん大好き」「○○ちゃんかわいい」と言ってくれるから、自分も言っちゃおうというわけです。ほほえましいですね。

あと、日本人はもともと「大好き、大好き」と相手に面と向かってアピールする国民性ではない分、私たち親世代が「大好き」と言われることに慣れていないのもあると思います(とくに昭和生まれの50歳前後のパパ・ママ世代はなおさらでしょう)。そのため、余計に気になってしまうのもあるかもしれません。

私は海外生活が長いのですが、現地での子育て風景を見ていると、「I love you」の数が半端ではありません。たまたま通りで見かけるだけでそれだけ頻繁なのですから、家庭内ではさらに密でしょう。海外のパパ・ママは、もし子どもが「I love you」を言ってくれなかったら、その方が心配になってしまうかもしれませんね。


――では、決まった時に言う「大好き!」も気にしなくていいの?

「夜寝る前に大好きと言う」という場合は儀式的なものであることが多いでしょう。その子にとって言うと安心する「おまじない」のような存在と考えられます。その一言でぐっすり眠れるのでしたら、なによりの安眠材ですよね。

一方「怒られたあとに言う」という場合は、そうすることで何らかのメリットがあるから言っているとも考えられます。たとえば、ママやパパの対応が柔らかくなったり、可愛いからと許してしまったり……。その状況を振り返ってみて、もし叱っていることがうやむやになってしまっていたら見直すことをおすすめします。なぜなら、この対応だと次回も同じことを繰り返す確率を高めてしまうため、結局叱る回数が増えてしまうことになるからです。

ですので、もし“大好き”を手段として使っているかもしれないという場合は、それによって親側の対応を変えないことも大切になります。「大好きと言えば許してもらえる」という学びを強化してしまうのは避けるようにしていきましょう。

子どもたちからの「大好き!」という“ラブコール”は、基本的には「何か隠れたサインが潜んでいる…?」と心配しなくても大丈夫。むしろ、パパママが子どもたちに「大好き!」と伝えているのを真似している、良好なコミュニケーションが取れている証拠だったり、安心できるワードになっているのかも。

一方で、注意点もひとつ。
子どもたちを叱った後に「ママ/パパ大好き!」と言われると、思わず笑ってしまったり、かわいさについつい許してしまったりと、叱ったこと自体がうやむやになってしまっていることはないだろうか。そんな時は「大好き!」コールが「許してもらえる」魔法のワードとして子どもたちにインプットされてしまっているかも。

子どもたちからのラブコールは、普段はそのまま大切に受け取りつつ、叱った後の「大好き!」は少し注意して見守ってみるのが良さそうだ。

あなたの投稿が漫画になる!エピソード募集中

「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?
あなたの投稿が漫画になるかもしれません。

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。