新型コロナウィルス感染防止のため、手洗いや手指の消毒が欠かせない日々が続いている。
しかし、中には、手洗いや手指の消毒を頻繁に行ったことで、手が荒れてしまうといった声も聞く。
こうした中で、大手化粧品メーカーの資生堂は、手荒れに配慮した手指消毒液を8月上旬に発売することを発表した。
元々は、4月から医療機関向けに提供してきたものだが、まずは、一般向けに東京都の店舗(化粧品専門店・ドラッグストア・スーパーマーケットなど)で「手指消毒用エタノール液(500ml)」と「手指消毒用エタノール液(つけかえ用)(500ml)」が販売される。
この記事の画像(3枚)手荒れに悩む人にとってありがたい商品となりそうだが、この手指消毒液は、一般的な消毒液と比べなぜ手が荒れにくいのか?また、頻繁に使っても手が荒れないのか?
資生堂広報に詳しく話を聞いてみた。
一般販売を望むお客の声により販売へ
――手指消毒液を発売するに至った経緯は?
資生堂は2020年4月より手指消毒液(指定医薬部外品)を医療機関向けに提供させていただいています。
そのような中、一般販売を望む声を多くのお客さまからお寄せいただき、お客さまが使いやすいポンプ付きパッケージの生産などの供給体制を整え今回発売することとなりました。
――消毒液を使うことで手が荒れるという声は聞いていた?
直接消毒液による乾燥・手荒れかどうかは、わかりませんが、お客さまから、最近手が荒れたり、乾燥して困っているのでケア方法を教えてほしいというお声はいただいております。
エタノールは皮膚から必要な油分を奪ってしまう
――そもそも消毒液というのは、使いすぎると手は荒れる?
エタノール(アルコール)高配合の消毒剤はコロナウイルスなどのウイルスや菌に対して高い効果が期待できるとされている一方で、エタノールには皮膚から必要な油分を奪ってしまう作用があることは一般的に知られており、その作用で乾燥による手荒れが生じる場合がありますので、
ハンドクリームなどのケアもおすすめします。
ただし、市場にある消毒剤はアルコール配合量や、有効成分などさまざまですので、一概には言えません。
――なぜこの手指消毒液は手が荒れない?
グリセリン(保湿成分)を配合し手にやさしい処方としています。
あらゆる状況で手荒れしづらいというわけではない
――使い方は?
適量を手指に塗布、または塗擦します。
――例えば、スーパーのレジで店員がお客ごとに消毒するくらいの頻度でも荒れない?
当社の消毒剤は、うるおい成分を配合することにより、手にやさしい処方としておりますが、使用頻度が極めて多い場合など、あらゆる状況でも手荒れしづらいというわけではありません。
医療関係者からは感謝の声
――4月から利用している医療関係者からの感想は?
多くの医療機関から感謝のお言葉をいただいています。
――値段はちょっと高めになる?
8月上旬から、まずは要望の多かった東京都の店舗から販売いたします。
価格は現段階で未定です。
新型コロナウイルスの収束はいまだ見えてこない。
手指消毒が予防対策の基本として浸透する中で、今回のような手荒れに配慮した商品で悩みを1つずつ解消できるのは、“withコロナ”の動きとしてはありがたい。
【関連記事】
新型肺炎対策に使える「消毒用エタノール」…そっくりだけど“価格が違う2種類”の差は効き目ではなかった
スーパーなどの「手袋」対応に感染リスク…何が問題? 専門家に注意点を聞いた