能登半島地震で被災した高齢者向け施設から安全な施設への避難依頼は1000人近くあったが、すでに700人以上は石川県内外の施設に移されている。
災害関連死を防ぐため、高齢者施設の入所者を移す民間の救急車が活躍している。
高齢者施設入所者の搬送に民間の救急車が活躍
午前7時半、民間の救急車が被災地に向け、石川・金沢市の県立中央病院を出発した。
この記事の画像(24枚)全国で民間救急サービスを行う事業者の団体・全民救患者搬送協会がDMATと連携し向かったのは、地震で大きな被害を受けた輪島市の高齢者向け介護福祉施設・百寿苑。
入所者「元気になってまた一緒に会おうかね」
入所者「ありがとう」
金沢市の施設に移ることになった女性は、入所者や施設の職員と別れのあいさつを交わした。
高齢者向け介護福祉施設 百寿苑・田上美和子さん:
(入所者に)あしたお風呂入れるかね? ことし初風呂やね。
この施設では、入所者の搬送が進み、先週100人いた入所者は50人ほどになった。
高齢者向け介護福祉施設 百寿苑・田上美和子さん:
お風呂にも入っていただけますし、普通の生活ができるということは喜ばしいことかなと思って。
ちょっと心は痛いですけども、日々送り出している状況です。最終的に全利用者さんが安全な場所に避難できるまで私たちは支援していきたいなと思っています。
全国の民間救急事業者が協力
地震による土砂崩れや亀裂など、状況の悪い道路。
金沢市や野々市市などの施設に向け、入所者たちを乗せた民間の救急車はゆっくりと走る。
全民救 患者搬送協会・小谷哲司理事長:
安全な場所に搬送するために、全国の民間救急事業者様が協力していただき、搬送を行っております。
搬送先の施設に到着したのは、輪島を出発してから約5時間後だった。
救急救命士・中川瑛司さん:
私たち民間救急で、施設からの患者さんであったりとか、1人でも多く運ぶことが私たち民間救急の役割かなと感じています。
災害関連死を防ぐため、被災地では高齢者を守る地道な取り組みがきょうも行われている。
(「Live News days」1月18日放送より)