能登半島地震で最大震度7を観測した石川・志賀町。

石川・志賀町 16日正午ごろ
石川・志賀町 16日正午ごろ
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志賀町には、最大震度7を観測しながらも多くの建物が倒壊を免れた地区がある。“奇跡の町”と呼ばれた赤崎地区を宮司愛海キャスターが取材した。

最大震度7を観測した志賀町…現在の被害の様子は?

16日、宮司キャスターが向かったのは、元日を襲った地震で唯一「最大震度7」を観測した石川県志賀町(しかまち)。

石川・志賀町 16日正午ごろ
石川・志賀町 16日正午ごろ

宮司愛海キャスター:
こちらお寺なんですけど、手前側に建物、社が崩れ落ちてしまっています。ここも、ちょっと、いつ倒れるか、もし次大きな揺れが来たら、バランスを欠いて、一気に崩れてしまうような、かなり危険な状況です。

多くの住宅が倒壊するなど、甚大な被害が出た志賀町の富来領家町(とぎりょうけまち)。

石川・志賀町 16日正午ごろ
石川・志賀町 16日正午ごろ

宮司愛海キャスター:
枕や布団も見えます。生活をしていた痕跡というのが外からでもちょっと垣間見えますね・・・。

出会ったのは、この町で被災した三島美代さん(80)。

――揺れは?

被災した三島美代さん(80):
凄かったです。私居間にいたんですが、すごいもう歩けなくなるくらいになってしがみついて。そしたら、またドドーンときて、本当に、もう少しの人生になって、こういう酷い目に遭うと思いませんでした。

震度7の壮絶な揺れを、涙ながらに語った三島さん。

被災した三島美代さん(80):
これ私の車なんですけど、情けない・・・。

神社の石碑が倒れ、車の後部座席を直撃した。自宅は倒壊を免れたものの、タンスなどの家具が散乱。窓枠が外れるなどの被害に遭った。

この志賀町は、今回の地震で唯一震度7を観測した町でありながら、これまで、その被害状況があまり語られてこなかった。三島さんはその理由について、こう考えている。

被災した三島美代さん(80):
もっと酷い人がいるから我慢できますね。向こう(=珠洲や輪島)の方を思ったら、私らはそれだけまだ、あんな酷くないから幸せかなと思います。

同じ志賀町でも被害に“ばらつき”…理由は?

一方、同じ志賀町でも、被害状況にはばらつきがあった。

宮司愛海キャスター:
すぐそばに日本海がある赤崎地区という港町。このあたり津波も押し寄せたということなんですけど、外壁などをみると、津波の浸水の跡などは確認できません。

志賀町の赤崎地区。震度7を観測した観測地点からも、ほど近いこの地区では、すでに宿泊施設が営業を再開していた。

――被害は?

宿泊施設「まひるのつき」古川理香さん:
棚の上のカゴが下に落ちたり、調味料が飛んだくらいで、後は特になかった。奇跡的に近いですよね。

地元から“奇跡”との声も上がるほど、揺れの被害が出なかったというこの場所。専門家は“地盤の硬さ”が被害状況を分けたと説明する。

金沢大学・村田晶助教:
今回の志賀町で観測されている(震度7の)揺れは、ガタガタガタという“早い揺れ”。建物を大きく揺さぶる揺れにはならないので、あまり建物は大きく揺れません。(一方で)富来領家町に被害があることは、不自然でもなんでもなく、その場所がたまたま地面が柔らかいような状況で。

富来領家町地区のすぐそばには富来川が流れていて、地盤が柔らかかったことなどが被害拡大の要因とみられている。

志賀町に住む高校1年生の“切実な思い”

その領家町に住む祖母の家を確認しに来ていたのは、高校1年の川村瑛汰郎(かわむら・えいたろう)さん。

――おばあちゃんは?

志賀町に住む川村瑛汰郎さん(16):
めっちゃ元気です。あそこの骨組みが残っているところにいたんで、なんとか助かった。

地震が発生した時、祖母は倒壊した居間ではなく、キッチンにいたため避難できたという。そんな川村さんが打ち明けたのは、“震度7の町”志賀町の現状をもっと知って欲しいという切実な思いだった。

志賀町に住む川村瑛汰郎さん(16):
珠洲とか輪島が酷いと注目されているけど、自分たちはあまりされてないね、みたいな。そもそもこの地区が過疎地域なんで、仕方ないっていうのはありますね・・・。
(「イット!」1月16日放送より)  

<フジネットワーク サザエさん募金>能登半島地震救援