自民党は11日、政治資金パーティー問題を受け、「政治刷新本部」を設置し、初会合を開催した。
岸田首相は、国民の信頼回復と民主主義を守るための自党改革を強調した。
また、最高顧問を務める菅前首相など複数の議員らが派閥の解消を訴えたが、党内は派閥解消に関して意見が分かれている。

政治刷新本部が初会合

自民党は11日、派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受けて新たに設置した「政治刷新本部」の初会合を開き、最高顧問を務める菅前首相らは派閥の解消を訴えた。

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初会合には、菅氏や党の幹部に加え、無派閥の小泉元環境相、三原じゅん子参院議員らが出席し、冒頭、本部長を務める岸田首相が改革への決意を述べた。

岸田首相は、「国民の信頼を回復するために、そして、日本の民主主義を守るためには、自民党自ら変わらなければならない」と訴えた。

会合では、政治資金の透明化や派閥の在り方について議論が行われ、その中で、菅氏など複数の議員が派閥の解消を訴えた。

菅前首相は、「派閥の解消。スタートラインとしてそうしたことを進めていく必要があるという趣旨の話はしました」と述べた。

また、小泉元環境相は「今回、派閥はなくしたらいいんじゃないかと」と話し、記者の「安倍派、麻生派、岸田派、茂木派などは解消?」との質問に、小泉元環境相は「それが必要だと思います」と答えた。

政治刷新本部は今後、党所属のすべての議員を対象にした会合を開き、外部の有識者の意見もふまえ、1月中に中間のとりまとめを行う方針。

ここからはフジテレビ政治部・与党キャップの木村祐太記者がお伝えする。
この自民党の政治刷新本部は、はたして本当に名前の通り「刷新」できるのだろうか。

刷新を打ち出すために党内をとりまとめたい岸田首相だが、初会合から最も強い「派閥解消」という言葉が飛び交う展開となった。

特に一番の注目は、菅前首相が11日に何を主張するかだったが、その菅氏が明確に派閥解消を訴えたことで、党内には衝撃が走り、小泉進次郎氏は、刷新というからには「派閥をなくすという結論以外ない」とまで踏み込んだ。

しかし、岸田首相周辺は「解消するかしないかという話になるのはよくない」と話している。

派閥のトップである麻生副総裁や茂木幹事長などは派閥解消には否定的で、真っ二つに分かれる意見を集約する作業はかなり難航しそう。

安倍派10人に疑問の声

刷新本部の38人のメンバーには、裏金疑惑の渦中にある安倍派から最多の10人も入っている。その点について、どのような声が上がっているのだろうか。

党内からは「風紀を乱した人が風紀委員会のメンバーとして取り締まるギャグみたいな話だ」、「安倍派だらけで改革ができるのか」といった声が出ている。

刷新本部の幹部を取材したところ、「派閥で選んだわけではなく、役職で人選をしたらこうなった」ということだった。

例えば今回、女性局長というポストを経験した人が選ばれているが、参議院議員で安倍派の松川るい氏もその1人。

積み重ねていったら、たまたまということだが、メンバー以外の議員から「これなら改革を訴えている石破さんを入れた方がよっぽどいい。人選が謎すぎる」という意見も出ている。

安倍派が最多の刷新本部で、本当に刷新できるのだろうか。

刷新を口にするのであれば、まずは人を代えることも必要。
また、派閥の解消、政治の透明化だけではなく、政治と金が結びついている現状の在り方自体を変えることが重要となる。
(「イット!」 1月11日放送より)

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