山形地裁で開かれた刑事裁判の公判中、誤って法廷に鍵がかけられ、一時「非公開」の状態となった。施錠した裁判官は「無意識に施錠した」と話す。裁判の原則公開を定めた憲法に違反するとして、審理がやり直された。

法廷が密室に…違法な状態での裁判

山形地裁によると、一時「非公開」の状態となったのは、1月10日に開かれた詐欺事件の初公判だ。午後1時半に開廷し、午後2時15分ごろに裁判所の職員が傍聴席入り口が施錠されていることに気づいて裁判官に知らせるまで、法廷が約45分間“密室”となっていた。

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裁判は憲法で「原則公開」と定められていて、担当した島田壮一郎裁判官は「違法な状態で裁判が続いた」と判断し、弁護人と検察官からの了承を得た上で、公開の状態で被告人質問などの審理をやり直した。

施錠したのは裁判官「無意識に…」

傍聴席の入り口に鍵をかけたのは、自己研さんのために公判の傍聴に訪れた山形地裁の裁判官で、裁判所の聞き取りに「無意識に施錠してしまった」と話しているという。

山形地裁は「同様のケースが過去にあったことは承知しておらず、裁判官を含む、全職員に注意喚起し、裁判公開の原則の重要性を指導していく」とコメントしている。

また山形地裁の中平健所長は「職員の不注意により訴訟関係人等にご迷惑をおかけする事態が生じたことは遺憾である。今後同じような事案が再び起こることが無いよう、職員に注意喚起し再発防止に努めたい」とコメントしている。

(さくらんぼテレビ)

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