能登半島地震は東日本大震災とは違ったメカニズムで発生した。津波工学を専門とする東北大学の今村文彦教授は「直下型地震、活断層というのは福島も東北もある。今回の地震は他人事ではない」と警鐘を鳴らす。
2つの地震の違い
プレート同士のひずみで起こった東日本大震災のような「プレート境界型地震」に対し、内陸で起きる「直下型地震」は日本列島が乗っているプレートの内部で起きる。被害範囲は狭くなる一方、断層の位置によっては津波の到達時間がかなり早く、揺れは局所的に強くなるという特徴がある。
この記事の画像(7枚)東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は「直下型の場合、避難が難しい。揺れの直後に津波が来襲するということで、避難計画は場合によっては見直す必要がある」と指摘する。
防災意識が高まる
能登半島地震を受け、防災グッズを買い求める人が増えているという。福島県福島市のダイユーエイト福島西店では、防災用品の売り上げは2023年と比べ2.5倍となった。ダイユーエイト福島西店・齋藤由樹店長は「家具の転倒防止の伸縮棒や、携帯トイレ、非常食などの動きがいい」と話す。
「防災グッズ」の購入が増えたが、注意も必要だ。齋藤店長は「転倒防止グッズなどは、事前に家具と天井の取り付けサイズを測ってほしい。サイズが違うと、取り付け自体ができない場合もある。正しく取り付けなければ、本来の防止機能が働かない」と話す。
購入しただけで満足せず、実際に活用することを考え商品の注意書きなどをよく読むことが必要だ。
再度 対策を見直す時期に
さらに、東日本大震災を踏まえて対策をしたという人も見直す時期に来ている。東北大学災害科学国際研究所・今村文彦教授は「家具の固定などは、何年か前にしたままだと結構緩んでいる場合がある。建物に関してはできれば耐震診断をして、いま一度強度のチェックをお願いしたい。いつどこでも地震が起きる可能性があるので、やはり備えというものが必要になる」と注意喚起している。
自宅の家具の地震対策
東京消防庁の「家庭内の転倒・落下・移動防止チェックリスト」からいくつか紹介。
◇テレビを壁またはテレビ台に固定するとともに、テレビ台も固定している
◇冷蔵庫や家具類の上に、落下しやすい物を置いていない
◇窓ガラスの近くに、大型の家電製品や家具を置いていない
◇重いものを、できるだけ下に収納している
◇家具が転倒しても、避難路を塞がない置き方をしている
チェックリストは20項目あるが、10階以上の高層階やオフィスなどの物が多い場所では、さらに確認すべき項目が増えてくる。
いざというときに守れたはずの命を落としたり、するはずじゃなかったケガをしないためにも、ぜひ防災対策の見直しを。
(福島テレビ)