9日から安否不明者の捜索活動が始まった輪島市の朝市通りだが、その輪島市では、依然86人の安否が確認出来ていない。このうちの15人は、朝市がある河井町の人だという。

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逃げ遅れた人がいるのかはわかっていないが、当時、朝市周辺で何が起きていたのか、詳しく見ていく。

こちらは、地震発生から2時間後の午後6時ごろの輪島市の映像。すでにこれだけの火災が起きていた。その後も火は広がり、この大規模火災によって焼けた建物は、約200棟に上った。

国土地理院によると、約4万8000平方メートルが焼けたと推定されるという。これは東京ドームの広さ(約4万7000平方メートル)を上回る面積だ。

大規模火災の原因は? 大津波警報で避難・断水も影響

なぜ、これほどまでに被害が拡大したのか?専門家は、まず「2つの理由」を指摘している。

現地を調査した地震火災に詳しい東京大学の廣井悠教授によると、輪島市では震度6強の揺れを観測したあと、大津波警報が発表されたことで、住民らが避難を余儀なくされたため、初期消火が十分に行えなかったという。

さらに、地震によって断水も発生した影響で、消火栓が使えなかったほか、防火水槽(※火災が発生した時に消火に用いるための水を貯めておくための消防水利)も電柱が倒れて取水できず、消火用の水が十分に確保できなかったという。

つまり、火災発生後の初期消火が遅れたことが、被害を拡大させたと指摘している。

火災が拡大した要因は? プロパンガス使用地域・木造住宅も密集

さらに、火災を拡大させた要因に、朝市周辺の「2つの環境」を指摘している。

この周辺はプロパンガスを使っている地域で、火災によってガスボンベが爆発。大規模な火災につながったという。

また、朝市周辺は古い木造住宅が多く建物が密集。いわゆる「木造密集市街地」であったというのが大きな原因としている。

このエリアで逃げ遅れがいたかどうかわかっていない。映像からは、建物は焼け落ちてしまっているため、火災発生にどのような状況だったかもわからない。

近隣住民撮影
近隣住民撮影

朝市周辺の映像を見てみると、今回火災があったエリアには多くの木造の建物が建ち並んでいることがわかる。

ただ、先週 FNN取材団が取材した時は、朝市通りの周辺の火災を免れた場所で、倒壊している木造住宅を多く見かけた。こうした状況から、逃げ遅れた人がいないか、9日から捜索が始まった。
(「イット!」1月9日放送より)

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