海外から石川県に働きに来ていた外国人女性たちも、今回の地震で被災していた。

「故郷の親には心配してほしくない」

取材班が訪ねたのは石川・七尾市内の小学校。

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教室で避難生活を送っていたのは、15人の女性グループ。女性たちの出身はミャンマーだ。

「家にいるとき、地震あって、みんな逃げてきた」「地震あったから、怖かったから」

彼女たちは暮らしていた寮で被災し、避難所まで逃げてきたという。

「怖かった。何も考えられない。何も考えられないで逃げてきた」

日本で働く外国人にも、同じように襲った地震。

「家におったら安心じゃないと思って、逃げようと思って。自分の荷物とか取りに来たときに写真を撮った」

翌日、寮に戻ると玄関前の塀が倒れ、自転車は下敷きになっていた。

台所には食器が散乱。室内も障子紙が破れ、壁の至る所に亀裂ができていた。

「ここ安全、安心する。でも、一番は早く家に帰りたい」

「親には心配してほしくないから、大丈夫ですって、それだけ言った」

遠い母国で暮らす家族には心配をかけたくない…。ミャンマーにいる家族には、ビデオ電話で近況を報告していた。

ミャンマー出身の女性:
戻ってきてほしい?

故郷の姉:
地震が心配だから、戻ってきてほしかったよ。

一番欲しいのは…ただ普通の暮らし

避難生活も既に1週間が経過。避難所のこの日の夕食は、お雑煮だった。

「おいしい。おいしいよ」

今、彼女たちが欲しいものは…。

「水だけ。飲み水は大丈夫。でもシャワー浴びてないから」

実は、彼女たちには欲しいものがあった。それは仕事。彼女たちの職場が食品工場のため、水道が復旧しないと仕事ができない。

工場が稼働するめどが立たず、トランプやカードゲームをしながら、日々を過ごしているという。

仕事に戻りたいかと聞くと、「戻りたい。本当に戻りたい」と答えた女性。「仕事行ったり、帰ってきてご飯作ったり、それがやりたい」と話した。

一番欲しいのは、ただただ普通の暮らし。彼女たちは、仕事ができる日常を早く取り戻したいと願っていた。
(「イット!」1月9日放送より)

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