元日に襲った地震で新潟県内は最大震度6弱を観測した。今回の地震の被害で大きな特徴となっているのは液状化だ。液状化とはいったい何なのか、そして液状化の被害が拡大した要因を専門家に聞いた。

新潟市内で発生した“液状化” なぜ起きる?

新潟市西区の住民:
これだけ下がっている。20~30cmぐらい

新潟市西区
新潟市西区
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新潟市西区の住民:
外に出たらこういう状況で本当にびっくり。元日から

新潟市西区の住民:
駐車場の平らなところが少し波打っていて、目の錯覚かと思った。そして、どんどん下がってきて車が前のめりになった

新潟西郵便局
新潟西郵便局

今回の地震により、新潟市西区や中央区などで見られた液状化。

地盤は通常、砂の粒子がかみ合って安定した状態となっているが、地震が発生し、大きな揺れが生じると砂の粒子がバラバラになり、水に浮いた状態に。

その後、しばらく時間が経つと砂の粒子が沈み込んで水や泥などが噴き出し、地盤が沈下してしまう。

これが液状化と呼ばれる現象だ。

60年前の新潟地震でも“液状化”

この液状化という言葉が初めて使われたのは1964年の新潟地震。

信濃川の両岸で地盤沈下が発生し、建物が倒壊したり傾いたりする被害が相次いだ。

新潟地震(1964年)
新潟地震(1964年)

県内ではその後、中越地震や中越沖地震でも液状化が発生。

中越地震(2004年)
中越地震(2004年)

東京湾岸の埋め立て地などで液状化による被害が相次いだ東日本大震災をきっかけに、北陸地方整備局などが作成したのが「液状化しやすさマップ」だ。

山中麻央アナウンサー:
新潟県内各地の液状化しやすさを目視でこのマップで確認することができます。新潟地域をクリックしてみると、新潟市周辺の色が塗られた地図が出てきました。液状化のしやすさが判別できます

新潟地域
新潟地域

今回、液状化が確認されたのは、危険度の高い赤やピンク色の場所が多くなっている。中でも新潟西郵便局や坂井輪中学校は過去にも液状化が発生していることを示す灰色の網がかかっている。

新潟市西区の歩道では、地面が盛り上がり、大きく波打っている様子も。

新潟市西区(視聴者撮影)
新潟市西区(視聴者撮影)

“液状化しやすい場所” その条件は?

新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志教授は「新潟市西区は液状化しやすい場所だった」と指摘する。

新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授
新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授

新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授:
西区は砂地盤があり地下水が高いので液状化しやすい。特に砂丘の裾野のところに地下水がいつも湧いていて、水がたくさんあるということで液状化する。さらに、少し傾斜地なので小さい地滑り的な要素が入って、上から力が落ちてくるというか、砂の塊が動いてくるというような状況で液状化の被害が多発している

液状化しやすい砂地盤である、砂が締め固まっていない、そしてこうした緩い砂の層が地下水に満たされているという3つの条件が揃っていた地域で被害が拡大したということだ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

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