羽田空港で2日夕方、日本航空と海上保安庁の航空機が衝突する事故があり、海上保安庁の航空機に乗っていた乗員5人が死亡した。日本航空の乗客・乗員約380人は全員脱出し、このうち14人がけがをしている。

羽田空港の情報カメラに燃え上がる機体

1月2日午後6時ごろ、羽田空港に設置されたFNNの情報カメラが、到着しようとする1機の機体をとらえていた。

真っ赤な炎を上げて燃え上がる日航機
真っ赤な炎を上げて燃え上がる日航機
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そして、次の瞬間、突然、機体が真っ赤な炎を上げて燃え上がった。

まるで何かが爆発しているように見える。

機内で撮影された映像には、「ピンポン」という警告音が響いている。

窓の向こうはオレンジ色に見え、機内には煙が充満している様子がうかがえる。
「異常発生!」という女性の声も聞こえた。

そして、窓越しに見えるエンジン付近からは、オレンジ色の炎が上がっていた。

機内は“パニック状態”に 

炎上した飛行機に乗っていた乗客は、「着陸した衝撃のあとにバンとしたのだけわかった。同時に火が上がっているのが見えて。一生懸命、日本航空の方が『落ち着いてください、大丈夫ですよ』という声を出していた。飛行機が止まったあとに後方から人がどんどん前に動いていて、『席を立たないでください』というアナウンスがあったが、みんなパニックになっていたのか、どんどん前に人が来るような状況でした」と証言した。

脱出シューターで避難する乗客ら
脱出シューターで避難する乗客ら

機体はなんとか滑走路に着陸、多くの乗客があわてて脱出シューターで避難している様子が映像に残されていた。中には転びそうになる人もいた。

当時の様子を語る乗客
当時の様子を語る乗客

乗客は「煙がすごかったので、のどが煙のせいで痛くなった」、「正直言うと、すごく怖かったです」と当時の様子について語ってくれた。

懸命な消火活動も機体全体が炎に包まれる
懸命な消火活動も機体全体が炎に包まれる

当初は後部座席付近の炎上だったが、その後も機体は燃え続けた。
懸命な消火活動は続けられたが、出火から約1時間後には、機体の骨組みが見えるほど機体全体が炎に包まれた。

乗客からは緊迫した機内の様子が聞かれた。

炎上した機体に乗っていた乗客:
しばらく席に、とにかく座ってというCAさんの指示を、私と息子、前方の方はみんな座っていました。ただ火はどんどん上がっているので、いつになったら外に出られるのかなと。明確な指示が残念ながらなかったので、それが正直不安でした。

炎上した機体に乗っていた乗客:
家族だけは守れたらいい、荷物とかは何もなかったので、子どもだけは煙に当たらないように。とりあえず早く出たいなという気持ちと、子どもと妻を守りたいなという気持ちと…とりあえず前の扉が開いてくれてよかったなと。開かなかったら避難できなかったので。

炎上した機体に乗っていた乗客:
火が出て機内まで熱が入ってきて感じました。すぐ横だったので熱かったです。煙が徐々に上がってきて、尋常じゃなかったです。マスクをしていても意味がないような。

炎上した機体に乗っていた乗客:
なかなか火が消えないので、順次誘導されて(機体から)降りた。火が回ったのは、たぶん10分から15分ほどの時間です。

日本航空の航空機に乗っていた360人以上の乗客は、発生から15分ほど機内で待機していた。
その後、脱出用シューターを使い、機体の外に出て待機していたが、炎の勢いがどんどん増すため、滑走路を歩いて避難したという。

乗客らは滑走路を歩いて避難したという
乗客らは滑走路を歩いて避難したという

荷物を持たず身ひとつで避難した乗客の中には、お腹を空かせて泣き出す子どもや観光で訪れた外国人の姿もあり、一様に不安な様子だった。

海上保安庁サイトより
海上保安庁サイトより

新年早々に起きた大規模な航空事故。国交省によると、日本航空の旅客機と衝突したのは、海上保安庁の所属の固定翼機の機体。この機体は、新潟県にある第9管区海上保安本部の新潟航空基地を目指していたという。
(「FNNニュース」1月2日放送より)

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社会部
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