長野県軽井沢町で12月1日に起きた電動キックボードの死亡事故を受け、町や観光協会などは12月26日から「公道での使用を控える」ようホームページなどで呼びかけている。町は「道路事情を踏まえて呼びかけることにした。最大限の配慮をお願いしたい」としている。

県内初の人身事故

12月1日、軽井沢町の国道18号線の交差点で、町内の女性が運転する電動キックボードと高速バスが出合い頭に衝突、女性が死亡した。

県内では初の人身事故となった。 

女性はヘルメットを被っていなかったとみられている。

事故現場(長野県軽井沢町 2023年12月1日)
事故現場(長野県軽井沢町 2023年12月1日)
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電動キックボードの区分

電動キックボードは7月に改正された道路交通法で最高速度20キロ以下などの基準を満たせば免許がなくても運転できる。 

一方、最高速度が20キロを超えるものは「原付きバイク」と同じ区分になり、免許やヘルメット着用が必要になる。 

捜査関係者によると、軽井沢の事故の機種は説明書では最高速度が20キロを超えるものだったという。 

女性は無免許だったとみられ、県警は道路交通法違反の疑いもあるとみて調べている。

電動キックボードの区分
電動キックボードの区分

軽井沢町「公道での使用控えて」

軽井沢町と町の商工会、観光協会、ホテル旅館組合は事故を重く見て、再発防止策を検討してきた。 そして、12月26日、町の公式ホームページやSNSなどで「電動キックボードの公道での使用を控える」よう呼びかけを始めた。

電動キックボードはわずかな凹凸でもバランスを崩しやすく路面が濡れている場合スリップしやすい特性がある。町によると、町内の道路は段差や坂道が多く、冬場は路面も凍結しやすく危険であること。 また、車道は配送業者などの車両の路上駐車が多く進行を妨げるケースもあること。さらに、歩道は観光客が多く歩行者にも危険が及ぶ可能性があることなどを理由にあげている。 

事故現場(長野県軽井沢町)
事故現場(長野県軽井沢町)

「町の道路事情を踏まえ」

町が把握している限り現段階で町内にレンタル業者はないため、想定しているのは電動キックボードを購入している町内の住民や持ち込んだ観光客だという。

町は「道路交通法上認められていることは理解しているが、町の道路事情を踏まえて呼びかけることにした。最大限の配慮をお願いしたい」としている。

警察官対象の講習会(長野県警)
警察官対象の講習会(長野県警)

(長野放送)

長野放送
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