先天性心疾患と診断され、アメリカで心臓移植手術を受けた佐藤葵ちゃん(2)が、25日、両親とそろって会見した。渡航移植を決断せざるを得なかった理由のひとつが、国内における臓器提供の少なさだった。
一方、奇跡的に国内で臓器提供を受けた五十嵐好乃さん(12)は、3年ぶりに自宅へ帰宅した。

臓器提供件数…日本は63位

両親と一緒に会見場に姿をみせたのは、佐藤葵ちゃん(2)だ。

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アメリカで心臓の移植手術を受け、無事に帰国できた喜びを報告した。

生まれてすぐに、先天性心疾患と診断された葵ちゃんは、補助人工心臓とペースメーカーによって命を繋いできた。

父・昭一郎さんは会見で「心臓移植をしないとあなたの娘の命は助かりません。そう医師に言われたのが、約1年半前です」と話した。

2022年11月、アメリカでの移植に向けて募金を始めると、約1カ月で目標額の5億3000万円に到達。そして2023年8月、アメリカ・ニューヨークで移植手術を受けることができ、無事成功した。

渡航移植を決断せざるを得なかった理由のひとつが、国内における臓器提供の少なさだ。2021年の集計では、1位がアメリカ、日本は63位だった。

そうした中、2023年に国内で心臓移植の手術を受けたのが、五十嵐好乃(この)さん(12)だ。

長い入院生活を終え、25日午後4時半過ぎに、3年ぶりに地元・川崎市へと戻った。

「好乃ちゃんおかえなさい!」
好乃さんは駅でクラスメイトたちに出迎えられた。そして、3年ぶりに帰宅した。

3年ぶりに我が家へ…好乃さん「とてもうれしい」

渡航移植から国内移植へ。ギリギリの決断を迫られながら、奇跡的に国内での臓器提供を受けることができた好乃さんに、榎並大二郎キャスターが話を聞いた。

国内での心臓移植手術に成功した好乃さんとご家族
国内での心臓移植手術に成功した好乃さんとご家族

榎波キャスター:
3年ぶりに帰宅してどんな気持ちですか?

好乃さん:
とてもうれしいです。

3年ぶりに自宅に戻った好乃さん
3年ぶりに自宅に戻った好乃さん

榎波キャスター:
体調はどうですか?

好乃さん:
元気です。

榎波キャスター:
国内でドナーが見つかったと聞いた時はどんなお気持ちでしたか?

好乃さんの父・好秀さん:
娘を助けていただくためには、どうしても提供者のことがありますので、ドナーコールをいただいた時は3人で話をして、感謝することを話しましたね。

榎波キャスター:
国内での心臓移植について、どんなことが課題だと感じていますか?

好乃さんの父・好秀さん:
幸い娘は到達することができましたが、件数自体はまだ小児に限ってはとても少ないので、提供者ご家族の貴重な判断で助けていただけたことをとても嬉しく思っていますが、提供する・しないも同等に評価される社会になってほしいと思いますね。

榎波キャスター:
年明けに学校行ったら何がしたいですか?

好乃さん:
友達とお話したり、勉強したりしたいです。
(「イット!」 12月25日放送より)

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