奈良・下北山村の国道脇で土砂崩れが発生し、70代男性が行方不明になっている。土砂災害の原因について専門家は、地中水の「凍結融解」という現象で岩盤がもろくなり、土砂崩れにつながった可能性が高いと話している。

雨が降らない中の土砂崩れ…「凍結融解」か

奈良・下北山村で23日夜に起きた国道脇の土砂崩れ。国道沿いの斜面が幅最大30mに渡って崩落した。和歌山県から釣りに出かけていた70代の男性と連絡が取れておらず、土砂の下敷きになっている可能性があるとみられている。

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二次災害の恐れがあることから、土砂の撤去作業は難航していて、救助活動の見通しは立っていない。

なぜ、これだけの土砂崩れが起きてしまったのか。雨が全く降らない中で起きた土砂崩れの原因として、専門家が指摘したのが「凍結融解」という現象だ。

群馬大学・若井明彦教授:
水が凍結融解でだんだん岩をむしばんでいく。

寒暖差によって地中の水が、凍ったり溶けたりを繰り返す凍結融解により、岩盤がもろくなり、土砂崩れにつながった可能性が高いという。

今回の崩落現場では、5月にも大雨の影響で土砂崩れが発生。これを受け、仮の防護柵や土のうなどを設置し、2024年1月に本格的な復旧工事が行われることになっていた。

群馬大学・若井明彦教授:
夏の間に降った雨も、そこを通じて、崖の内側に浸透しやすい状況が作られた。

5月に大雨による土砂崩れ…手続きミスで復旧工事遅延

全国どこでも起こりうるという、凍結融解による崩落。

25日に行われた会見で、奈良県の山下真知事は、「復旧工事に着手しようとしている矢先、上部から崩落をして、本当に大変残念な結果になってしまいました」と話した。

会見では、5月に起きた土砂崩れの復旧工事は、入札手続きにミスがあったため2~3カ月遅れて、年明けにずれ込んだことが明かされた。
(「イット!」 12月25日放送より)

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