J2初挑戦となったサッカー「いわきFC」の2023年。チームとサポーターが一体となり「倒れない、止まらない」そして「走り続けた」一年だった。
一勝するのも大変
2023年、初めてのJ2に挑んだ、いわきFC。スローガンは「RELENTLES」…その言葉の通り「容赦なく挑み続ける」と誓った今シーズン。しかし、J2の壁が立ちはだかった。
いわきFCの有馬幸太郎選手は「J2は個の力がある選手が、いっぱいいますし。1試合勝つのも大変だったなという印象」と振り返る。

低迷…監督交代
14節で最下位に落ち、その後も低迷…そして6月には「監督交代」という大きな転機が訪れた。これについて大倉智社長は「これをなぜやるかって、やっぱり勝つためなんですよね、当たり前ですけどね。勝つ確率を上げる」と説明した。

原点回帰
後任は、2020年まで5年間チームを指揮していた田村雄三前監督。田村監督は「とにかくチャレンジし続ける。前に前にトライしていきたい」と話し「倒れない、止まらない、90分間走り続けるサッカー」という原点に立ち戻りチームは息を吹き返した。

今季加入 加瀬直輝選手
今シーズン加入した加瀬直輝選手は、地元・福島県の尚志高校の出身。シーズン序盤、手応えを感じていた。「自分がスタメンデビュー戦のベガルタ戦で、あんなに体張ったり前線からの守備とか、いわきFCのコンセプトを理解してやることが出来たのかなって」と加瀬選手は話す。

苦悩…最終戦でのチャンス
今シーズンは27試合に出場、うちスタメンは14試合。しかし、「前半戦は試合に絡める回数が多かったが、後半になってきて出場機会が減ってきて、自分も悔しい思いをしていた」と話すように、満足出来る結果ではなかった。

そんな加瀬選手に、最終戦でチャンスが巡ってきた。スタメンで出場した加瀬選手、右サイドからのクロスでアシストを決めた。チームも18位でJ2残留。
加瀬選手は「やっぱり得点とかアシストにこだわって、いわきFCを少しでも上の順位に上げられるように、貢献したいと思います」と来シーズンの飛躍を誓う。

サポーター 来年への誓い
福島県いわき市にあるサポーターが集う店「CHEKA」で、サッカー談議に花を咲かせるのは、サポーターチームのメンバーたち。選手と共に、初めてのJ2を走り抜いた。

サポーターチームのLinoLaIwakiの會田陸人さんは「俺たちがまず最前線に立って、選手を奮い立たせて、メインスタンド奮い立たせて、バックスタンド奮い立たせなきゃいけない。その最前線にいるのが俺たちだから」と話す。

熱狂空間に
応援も、この1年で大きな手応えを感じていた。「中継でも”いわきの方が聞こえる“っていうぐらい、声が出るようになったっていうのはすごい。サポーターもこの1年間で相当成長した」と話す。

ホーム最終戦の山形戦には、過去最多となる5044人がスタジアムに駆けつけた。
LinoLaIwakiの會田陸人さんは「他のクラブと比べたら、入ってるお客さんは少ないかもしれないけれど、収容率としてはほぼ満員であれだけの雰囲気作れた。いわきだからこそできるあの熱狂的空間だった」と振り返る。

チームとサポーターが一体となって作り上げる「熱狂空間」
来シーズンも、サポーターたちが12人目の選手としてチームを支える。いわきFCが浜を照らす光となるために…これからも走り続ける。
(福島テレビ)