北海道で暮らす働くママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」。

子育てと仕事に奮闘するママたちの実際の1日を覗いてみると、限られた時間の中で家事や育児を効率よくこなす工夫が満載だった。

今回の主役は北海道のサンタクロースの故郷として知られる場所、北海道広尾町に住むなつきさん46歳。

10歳の双子と5歳の3兄弟を育てながら、主に乳牛を育てる鈴木牧場を夫婦で経営している。

牛たちは放し飼いで自由に牧草を食べていて、国内初の「グラスフェッド認証」を取得した牧場だ。

なつきママの一日は子牛のお世話からスタート

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毎朝5時。なつきママの姿を見た牛がエサを催促するように次々と鳴いている。

子猫やポニー、犬にも寒さの中でご飯をあげ続けること1時間。

海の幸と自家製の牛乳で栄養満点の朝食

休むことなく次は子どもたちの朝食を作る。なつきママは毎朝魚を焼く。

大きい干物を買ってきて、頭と尻尾をハサミでカット。

1食分ずつ冷凍保存していた。食べる前の晩に冷蔵庫に入れて後は焼くだけ。

毎週火曜日と土曜日に加工会社の一角で一夜干しの魚を直売している鏑木水産。

脂ののった魚が2,3尾1000円で買えちゃうのだ。

みそ汁は忙しい朝でも出汁をとるのがこだわり。

・氷熟 かつおマイルド削り

・玄米味噌を使ったネギとなめこの味噌汁

・低温殺菌した自家製の牛乳

手際よく栄養満点のご飯を作っていく。

地元の農家が手掛ける野菜や加工品を購入

子どもを保育園へ送ったらその足で夕食の買い物へ。

推しスーパーはAコープサンタ村店。

地元の農家が手掛けた野菜や加工品が100円台で買えるお得な直売コーナーがある。

なつきさんの鈴木牧場からは、自然の環境で育ったハンバーグと広尾町の海水から作った塩を販売。ミネラルが豊富で牛にも食べさせている。

獣医師だった頃に夫と出会い…ライフスタイルの変化が牧場経営のヒントに

なつきさんは実は元々、家畜の健康を守る獣医師だった。

この鈴木牧場は獣医師時代の診療先の一つで、ここで夫と出会った。

夜中でも呼び出しがあれば駆けつけなければならないハードな仕事で、次第に心身に不調をきたすようになったという。

本当にやりたかった仕事が楽しめなくなり、臨床の現場から引退。

大好きな牛の世話に専念するとともに、自身の生活を見直すと双子の命を授かった。

食べ物や生き方、環境が与える影響の大きさを痛感したことで、牛の飼育方法を大きく変えることに。

牧草地の土壌を改善し高栄養の牧草を与え、牛がのびのび育つ飼育方法に取り組んだのだ。

炊飯器で“時短調理” 春巻きを巻くのと揚げるのはお兄ちゃんたちの仕事!

ぎりぎりまで仕事をするなつきさん。

保育園のお迎えは最後になることも。

オムライスのご飯は炊飯器でほったらかし調理。

冷凍シーフードミックス、味付けは自家製の玉ねぎ麹と体に優しい野菜ブイヨンだ。

炊けるまでの間に、双子のお兄ちゃんたちがお手伝い。

超簡単、チーズとウィンナーを巻いたミニ春巻きを作る。

オムレツはこの日収穫した採れたての卵と新鮮牛乳を使いふわとろにする。

愛情たっぷりの健康ご飯が完成だ。

「学校給食で牛乳を提供したい」という夫婦の夢

子育てと牛のお世話にはたくさん共通点があると、なつきさんはいう。

それは愛情を込めておいしいものを食べていけばよい子に育ってくれるということ。

今、なつきさん夫婦はある夢に向かって歩みを進めている。

学校給食で鈴木牧場の牛乳を提供し、牛乳が嫌いな子も飲めるようになったらうれしいと考えているのだ。

牧場から健康と幸せを届けたいと挑戦を続けている。

北海道文化放送
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