1月スタート「新NISA」　投資枠が大幅増・「非課税期間」は無期限に　『資産形成』意識変えるキッカケとなるか

2024年1月1日から新しい制度が始まる「新NISA」。何が変わるのか、そしてどんなメリットがあるのだろうか。

大阪・梅田で毎週開かれている無料の「新NISA」セミナーでは、2024年1月からの新制度開始を前に、かつてないほど参加者が増えているという。

セミナーに参加した大阪で1人暮らしをしている40代の美容師の女性：
個人事業主という形になるので、資産を作っていかなきゃいけないというか。銀行だけに（お金を）置いておいていいのかなって不安も漠然とあって。

今、将来への不安から、投資に関心を持つ人が増えたと講師のファイナンシャルプランナーは話す。

マネージメントプランS　ファイナンシャルプランナー　田中聡さん：
去年、今年にかけて物価が上がったのを、もれなく皆さん実感されていて、銀行に入れていてもお金増えないのに、みんな『損をしたくない』っていう思いが強いかなと。

株などに投資しやすくするために始まった「NISA」。投資で得た利益に本来課せられる約2割の税金を、一定期間・一定額まで非課税とする、国が作った制度だ。岸田政権は経済を活性化させるため、貯蓄を投資に回してもらおうと、2024年1月1日から「新NISA」をスタートさせることにした。投資額の上限が、選んだプランに積み立てる「つみたて投資枠」で3倍、自由な選択ができる「成長投資枠」で2倍となり、非課税となる期間は無期限となる。

■「投資信託は“詰め合わせセット”」と説明するファイナンシャルプランナーも

すでにNISAを始めている人は…
NISA を利用している50代女性：
銀行に勧められて。絶対増えると思っていたので。実際増えました。

一方、抵抗がある人も…
NISA を利用していない20代男性：
（お金が）なくなるとか、そういう怖さも投資の話で聞くので、手を出しづらいというのはありますね。

梅田で開かれたセミナーでは…
マネージメントプランS　ファイナンシャルプランナー　田中聡さん：
私がよく『投資信託って何？』って聞かれたとき、答えているのは“詰め合わせセット”なんです。例えば株だったら、数百社分の株が入ってたりとか。つまり投資信託を持ってるだけで、（リスク）分散運用が知らない間に勝手にできてますよと。ある程度時間をかけて確実に運用したい人にとっては非常に相性の良いもの。

セミナーに参加者した女性は、長期間コツコツと投資することでリスクを減らす「積み立て投資」に興味を持ったようだ。
セミナーに参加した女性：
コツコツやった方がいいんやなって。不安を持ってこの先進んでいくより、投資して、そこに安定したお金が残ってる、増えていると思ったら、気持ちも変わるかな。

■「新NISA」知っておくべきポイント解説

NISAについては「月100円から始められる」「すでに全国で1290万口座が開設されている」と言われている。ここではもうすぐ1月から始まる「新NISA」で知っておくべきポイントを整理する。

まず非課税となる年間の上限額が変わる。
・「つみたて投資」の上限は、現行の年間40万円から、3倍の120万円に。
・「成長投資」の上限は、120万円から、2倍の240万円に。

そして今までは上限があった非課税の期間が、「つみたて投資」「成長投資」どちらも無期限になる。また今まではどちらかの投資しかできなかったが、新NISAでは「つみたて投資」「成長投資」併用可能になる。

それぞれどんな人にオススメなのか。
・「つみたて投資」は、できるだけ確実に時間をかけてコツコツ増やしたい人、初心者向け。
・「成長投資」は、まとまった資金を短い期間でしっかり増やしたい人、知識がある人向け。

■金融庁の資産運用シミュレーターで試算することができる

月100円からでもできるという、初心者でも始めやすい「つみたてNISA」について、どれぐらいお金が増える可能性があるのかシミュレーションしてみる。金融庁が示している資産運用シミュレーターでは、毎月の積み立て額などを入力し、どれだけ増えるのかシミュレーションすることができる。

毎月1万円、想定利回り年3％の収益が期待されるとして、積立期間20年にすると、最終積立金額は「3,283,020円」になるという結果が出た。シミュレーターでは元本が水色、収益が黄色で表示され、20年目で元本240万円に対し、収益は約88万3000円になった。この88万3000円の収益が非課税となる。なおこれはあくまでもシミュレーションで、株価が大暴落するリーマンショックのようなことが起きると、元本割れするリスクもあることに注意がいる。