日本から約8600km離れた北欧のアイスランドで18日、火山が噴火した。
FNNは日本メディアとして初めて火口付近の警戒区域に入り、マグマが噴き出す様子を撮影した。
防災当局によると、今のところは街に差し迫った危険はないが、風向きによっては首都・レイキャビクなどへ被害が及ぶ可能性があるという。

街は厳戒態勢…不安な日々続く

地面の亀裂から激しく噴き出す灼熱(しゃくねつ)のマグマ。活発な火山活動が続き、広い範囲にマグマが流れ出る。マグマの活動により地震が相次いでいたアイスランドで18日、火山が噴火した。

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アイスランドの気象庁によると、噴火が起きたのは南西部の街・グリンダビークから、北に約4kmの地点。
街では厳戒態勢が敷かれ、地元の人にとっては不安な日々が続いている。
住民は「今回の噴火は規模が大きく、街が溶岩に飲み込まれるかもしれません。複雑な気持ちです。どれだけ噴火が続くのか様子を見ます」と話す。

火口近くの警戒区域の様子は

噴火から一夜明け、FNNのカメラが日本のメディアで初めて火口近くの警戒区域に入った。車を降り、当局の案内のもと、溶岩石でデコボコした足場を徒歩で進んだ。

火口から約1km地点では、マグマが噴き出す様子がはっきりとわかる
火口から約1km地点では、マグマが噴き出す様子がはっきりとわかる

30分以上歩き続け、火口から約1kmほどの場所に到着。まさに目と鼻の先で、マグマが噴水のように噴き出す様子がはっきりとわかり、空はオレンジ色に染まっていた。

防災当局によると、今のところは街に差し迫った危険はないという。
しかし、風向きによっては、車で約1時間離れた首都・レイキャビクなどへ被害が及ぶ可能性があると指摘する。
防災当局員は「まだ安全ではありません。危険なのはマグマだけではありません。ガスもあります。においのないガスです。今は風向きが逆なので安全です」と話す。

アイスランド当局は11月、噴火のおそれが高まっていたことを受け、非常事態を宣言。すでに約4300人が避難していた。

町の産業にも影響…火山活動はいつまで続くのか

さらに、町の産業への影響も懸念されている。

温泉施設「ブルーラグーン」では、マグマから守るための壁の建設が進められている
温泉施設「ブルーラグーン」では、マグマから守るための壁の建設が進められている

毎年70万人の観光客が訪れる、世界最大の露天温泉「ブルーラグーン」では、現在、マグマから守るため、新たな壁の建設が急ピッチで行われている。

この火山活動は、いったいいつまで続くのか。

19日、アイスランド大の火山学者らも現地で火山活動の調査を行った
19日、アイスランド大の火山学者らも現地で火山活動の調査を行った

19日、アイスランド大学の火山学者らも現地を訪れ、火山活動の調査を行ったが、火山活動がいつまで続くかは見当がつかないという。
火山学者は、「“火の噴水”はおそらく150メートルに達していましたが、今はわずか数十メートルです。徐々に落ち着いてきていますが、今後、噴火活動がしばらく続くのか、すぐに終わるかはわかりません」と話す。

気象庁によると、噴火は次第に弱まってきているということだが、再び激しくなるおそれもあるとして、住民に警戒を呼びかけている。
(「イット!」12月20日放送より)

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