長電バスは長野市内などで運行する路線バスについて、2024年1月21日以降、「日曜日は運休する」と発表した。理由は深刻な運転手不足。募集をかけても新たな働き手が現れない状況が続いていて、「苦渋の選択」としている。

運転手不足でダイヤ維持できず

日曜日に運休するのは、長電バスが長野市を中心に運行している11路線、182本。

アルピコ交通と共同運行する「市街地循環ぐるりん号」などを除いて2024年1月21日から運休する。

理由は深刻な運転手不足だ。

高齢化が進み退職する運転手が増える一方、拘束時間の長さなどもあってか、募集をかけても新たな働き手が現れない状況が続いている。

長電バス
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長電バスによると、長野営業所では、ダイヤ維持のために99人の運転手が必要だが、現在の運転手は74人。

そのため、貸し切りバスや高速バスの運転手を充てるなどして対応している。

ただ、冬場はインバウンドの需要が増え、一人一人の負担が大きくなることから、平日に比べて利用客が少ない日曜日の運休を決断した。

長電バス乗合乗用部長の大石真一さんは、「お客さんには多大な迷惑をおかけし、お詫び申し上げますとともに、路線バスを維持するためには今回の対応をやらざるを得ないということをご理解いただきたい」と話し、苦渋の選択だったとしている。

長電バス
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住民困惑「お年寄りはどうすれば」

日曜運休に利用者は、「お年寄りばかりでしょう。もっと本数を増やしてほしいくらい」、「どうしよう、家でじっとしているだね」、「買い物行くにも困る」と困惑の声が上がっている。

運転手不足はバス業界全体の課題で、県内でも、路線バスや高速バスの減便・廃止が相次いでいる。

長電バスも毎月、運転体験ができる講習会を開いたり、入社後の免許取得を支援したりしているが、人材確保には苦労している。

運転体験ができる講習会
運転体験ができる講習会

解消できなければ…さらなる対応も

日曜日の運休は「当面の間」とし、運転手不足が解消できれば再開するとしている。ただ、解消できなければ、さらなる対応が必要ともしています。

長電バスの大石さんは、「若い人が入ってこないという状況。何とか対策を練っていかなければいけない。何とか路線バスを維持したいという気持ちがある」と話す。

長電バス
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(長野放送)

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