処方箋を渡してから薬をもらうまでの、薬局の作業風景をおさめた動画が公開された。特に人気なのは粉薬の調合で、その丁寧すぎる手作業の様子が話題を呼び、1000万回以上再生されている。

軟こうを練り練り…丁寧すぎる手作業

この時期、多くの人がお世話になっている薬局。その丁寧すぎる手作業が話題を呼んでいる。
話題となっているのは薬局で処方箋を渡してから、お薬をもらうまでの作業風景だ。

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塗り薬の軟こうを作る動画では、軟こうを丁寧に量り、バターナイフのようなもので練った後、小さな容器に詰めていく一連の作業を見ることができる。

人気なのは粉薬の調合の様子で、すでに1000万回以上再生されている。

白い粉状の薬と、オレンジ色の薬を混ぜ、それを均等にならしてボタンを押すと、印字された個包装が次々と出てくる。これらをテンポ良くちぎり、重さを確認し、やっとの思いで完成だ。

処方箋を渡してから、待たされることもしばしばあるが、この動画を見た人からは「薬局っていつも混んでるけど、そら時間かかるわけだ」「全ての調剤薬局で流してもいいと思う。イライラする人絶対減る!」という声が上がっている。

薬の処方には、いくつもの工程と手間があることを初めて知った人が多いようだ。  

薬剤師歴5年の中野さんは「薬剤師の仕事をもっと知って欲しい」との思いから、この動画を制作したそうだが、VTRで紹介した複数の粉薬をまぜ合わせて袋に小分けする作業は、正確さが大切で、20分から30分かかるそうだ。

大手は「調剤ロボット」を導入

待ち時間が長くなるのもわかるが、手作業の負担は大きそうだ。

そのため、大手の薬局などでは機械も導入している。例えば、粉薬の調剤ロボットは、必要な薬の量を正確に量り、スクリューで均等に切り分けて袋に小分けにすることができる。こうしたロボットの導入により、薬剤師は調剤の負担が減り、患者との向き合いに集中できる。

薬局の効率化については、岸田首相も11月の国会で「政府として支援すべき課題」と答弁している。しかし、小さい薬局が対応できるのだろうか。

問題は「お値段」となる。高度な機器だと1000万円を超えてしまう。そのため、中野さんのように「練って、混ぜる」作業は引き続き、地域の薬局を支えていくものと思われる。
(「イット!」 12月18日放送より)

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