東京オリンピック・パラリンピックの選手村を活用した再開発地区「晴海フラッグ」で、建物をフルリノベーションして生まれ変わった分譲マンションが、報道陣に初めて公開された。手が届きやすい価格と充実した周辺環境などが人気の要因のようだ。

ゆとりある空間、水素インフラ利用した「足湯」も

今回公開された「晴海フラッグ」分譲マンションの部屋は、空間的なゆとりを重視し、天井が高く、バルコニーの奥行きなどが広く設計されている。

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また、日本で初めて実用化される水素インフラで発電した熱を利用した足湯や、レインボーブリッジを一望できる屋上庭園などの共有施設も公開された。

晴海フラッグには約1万2000人が居住する予定で、2024年1月から入居が始まる。

20~40代多い地域は不動産価格が下がりにくい

「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
話題の晴海フラッグ、どうご覧になりますか。

エコノミスト・崔真淑さん:
首都圏のマンション価格が値上がりする中で、相対的に手が届きやすいところも人気のひとつだと思います。物件によっては倍率が100倍を超えるものもあるなど、とにかく注目されている晴海フラッグです。

ただ、魅力は価格だけでなく、街づくりにも着手されているところだと思います。たとえば、介護、保育などあらゆる施設も充実しています。マンションそのものだけでなく、周辺環境が非常に充実したマンションの人気はまだ続く可能性があると思います。

堤キャスター:
その人気が続く理由として、どういったことがあるのでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
不動産市況を考えるときに、人口は重要な要素になります。日本全体で見ると、人口は既に減少していますが、首都圏の主要地区においては、2040年頃まで人口増加が見込まれるところも少なくありません。さらには、住宅を買うメイン層である20~40代が相対的に多い地域は、不動産価格は下がりにくいともいわれます。

こういった要素が重なっているからこそ、晴海フラッグが人気なのかもしれません。

株価が不動産市況の先行指標に

堤キャスター:
今後の不動産市況を考えるには、いろんな要素を考慮する必要がありそうですね。

エコノミスト・崔真淑さん:
人口、そして金利にも注目していく必要があります。日本のマンション市況を考える時に、ひとつは株価、特に日本では日経平均株価とマンション市況が強く相関することが知られています。今後、金利が上昇しても、株価が強いとなれば、マンション市況の強さが続くのではないかと予想が立てられると思います。

マイホームの購入を検討している方は、株価を見てみるのもいいのではないかと思います。

堤キャスター:
今の社会に合わせて、街ぐるみで新しく開発された場所ですから、ここでの暮らしがこれからの日本に活かされていく部分もあるのかもしれません。
(「Live News α」12月11日放送分より)

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