職場や仲間うちで1年の労をねぎらう忘年会。新型コロナの影響でその数はめっきり少なくなっていた。
新型コロナの5類移行後初めての年末を迎え、札幌市中央区の繁華街「ススキノ」の飲食店では忘年会の予約で満席や、貸し切りとなっているという。
「忘年会」が復活の兆し

「忘年会の予約は金曜日、土曜日はありがたいことに満席。60人以上のホール貸し切りの宴会も何本か予約が入っている」(居酒屋 野暮天 高橋憲理 店長)
こちらの居酒屋では、2022年の年末の大人数での忘年会はゼロ。
客の入りが悪く、弁当の配達などをしてしのいできた。

しかし、2023年は順調に予約が入り、人手を確保するのが大変だという。
「アルバイトの面接がきょう4人入っていて、仕込みの時間をぬって行う。まだまだアルバイトの募集は行う」(高橋店長)
100人超えの宴席も ホテルにも予約殺到
居酒屋だけではない。200人以上の宴会にも対応できるホテルでは。

「2022年と比べ、200%の予約が入っている。100人超えの宴席も多く予約が入っている」(札幌プリンスホテル 元起 一さん)
2022年は忘年会シーズンに新型コロナの第8波が重なり、キャンセルが相次いだという。
「新型コロナ流行時は、感染リスクが高いということでビュッフェスタイルの宴会は自粛する傾向にあったが、今はコロナ禍以前に戻りつつある」(元起さん)
忘年会やる?やらない?
民間の調査会社によると、コロナ禍の2020年から2022年までの3年間に忘年会を行った会社は3割以下だった。しかし、2023年は5割以上が行うとしている。

復活の兆しを見せる忘年会。それに参加したいか、したくないか、100人に聞いてみた。

「3回はやる、いっぱい忘れたいことがあるので」(北海道民)
「取引先の会社でも忘年会をやるようになったので、その席に呼ばれる」(北海道民)
「日本で忘年会をやる。とても楽しみで朝までやる」(フランス国籍の人)
忘年会に参加したくないという意見も
「大人数の場所が好きではない」(北海道民)
「どうしてもと言われたら行くかもしれないが、自由参加だったら行かない」(北海道民)
「コロナ禍がまだ続いているので」(北海道民)
「忘年会に乗り気ではない人も多い。やはり新型コロナの影響で、若い人は特に」(北海道民)

100人中17人の人が「参加したくない」と回答した。
背景にはコロナ禍で対面のコミュニケーションが減ったことがありそうだ。
忘年会への意識に変化も
「対面でコミュニケーションしたいという人たちと、対面でコミュニケーションしなくても仕事は回ると考えた人たちが二分化した」(ライボJob総研 堀 雅一さん)

その上で、参加したくないという人たちの背景については。
「上司に気を使うとか、席順を気にするとか、乾杯のときに酌をするとか、上司の酒の量を気にするとか、そういうことにかなり気を使う場面を経験した世代」(堀さん)
復活の傾向にある忘年会だが、それを取り巻く環境は様変わりしているようだ。