蒲島知事は12月6日の熊本県議会で2024年春に予定されている熊本県知事選挙に出馬しない考えを正式に表明した。
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今この時に有能な人物に県政を託すこと、それが本県の良き流れをさらに強く大きくし、将来的な県民総幸福量の最大化を目指し続けるうえで最も望ましい選択ではないかという思いに至った。この思いから私は与えられた今の任期を全うしたうえで次の知事選には出馬しないことを決断した。
「出馬しないことを決断した」
蒲島知事は4期目のスタート直後から新型コロナウイルスへの対応に追われた。
また、2020年7月の豪雨災害を受け川辺川へのダム建設について1期目に決断した白紙撤回から方針を転換し流水型ダムの建設を国に求めた。
このほか台湾の半導体製造大手、TSMCの県内進出に伴う人材育成や渋滞対策、地下水保全などの課題に取り組んできた。
知事選をめぐっては過去4回の選挙で蒲島知事を全面支援した自民党から出馬を求める声が上がっていた。
100年に一度のビッグチャンス
知事本人はTSMCの進出など「熊本にとって100年に一度のビッグチャンスが来ている。その流れを止めないようにすることが、私の役割だ」として節目節目での記者の質問に対しては「県民のためにどう行動すべきか熟慮中」と答えるにとどめこれまで態度を明らかにしていなかった。
出馬か不出馬かまさにギリギリまで悩んだとみられる蒲島知事。「県政のリーダーシップを新たに託すのは今が最も適切な時期だ」として次の知事選に出馬しないことを正式に表明した。
蒲島知事は答弁の中で時折涙をこらえながらこれまでの4期・約16年を振り返っていた。また傍聴席からも「残念だな」という声が上がっていた。
蒲島知事の不出馬を受けて熊本県の新たなかじ取り役が誰になるのか、各党の候補者擁立に向けた動きが今後加速していくものと見られる。
熊本県知事選挙は2024年3月7日告示、24日投開票。
(テレビ熊本)