車道から歩道へと入っていく自転車。11月22日、東京都内の一般道で取材中、こうした自転車による危険な“車線変更”を相次いで確認した。

悪質違反「赤切符」で取り締まるも…

車道を走っていた自転車。この時、進行方向の信号は赤だが、隣の歩道に“車線変更”することで信号を回避していた。

(11月22日 東京都内の一般道)
(11月22日 東京都内の一般道)
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自転車は原則車道を走る必要があり、もちろん信号無視になる。取材では歩行者と自転車が接触しそうになる場面もあり、歩行者からは「ベビーカーとぶつかりそうになった」という声も聞かれた。

自転車は原則車道を走る必要があり、信号無視になる
自転車は原則車道を走る必要があり、信号無視になる

これまでの自転車の違反行為は、悪質な場合、刑事責任を問われるいわゆる「赤切符」で取り締まられてきたが、刑事罰で前科がつくなどの理由から、実際に起訴される事案は1~2%程度となっている。

刑事罰で前科がつくなどの理由で、起訴される事案は1~2%程度
刑事罰で前科がつくなどの理由で、起訴される事案は1~2%程度

そこで警察庁は、車と同様に反則金を支払えば刑事責任を問われない、いわゆる「青切符」の導入を検討。有識者会議では、スピードを落とさない歩道走行なども「青切符」の対象とする案が示された。

有識者会議では、スピードを落とさない歩道走行なども「青切符」の対象とする案も
有識者会議では、スピードを落とさない歩道走行なども「青切符」の対象とする案も

自転車の利用者に話を聞くと、「車道を走ると怖い場合があるので、ちょっと歩道を走っちゃったりしますね」という。では、どれぐらいの自転車が車道ではなく歩道を走っているのか?

車道通行を促すナビマークのある道路沿いだが、歩道を走行
車道通行を促すナビマークのある道路沿いだが、歩道を走行

11月22日の正午から1時間、自転車の車道通行を促す「ナビマーク」のある道路沿いで、その割合を調べた。すると、スマホを触りながらや、人混みをぬうように走る危険な自転車が見られ、中には配送作業中とみられる自転車の姿もあった。

正午から1時間、ウォッチングした結果
正午から1時間、ウォッチングした結果

結局、この地点を走る自転車118台のうち、117台が歩道を走行。ナビマークに従い、車道を走る自転車はわずか1台という結果になった。

反則金制度について、歩行者からは「そういうふうにしていかないと、やっぱり皆さん、なかなか守られないのかなと感じます」「危ないかもしれないけど、反則金までしなくてもいいんじゃないのかな」といった声が聞かれた。

「青切符」での取り締まりも悪質性が問われることになるが、導入で歩道走行は減るのだろうか。

交通法令に詳しい高山俊吉弁護士によると、「問題だと言われはしても、もう違反はしませんという走行に変わるかというと、そう簡単ではない。相当の期間がいるんじゃないか」という。
(「イット!」11月23日放送)