熊本・荒尾市は情報通信技術・ICTを活用して、糖尿病の予防を図ろうという新たな取り組みを始めた。血糖値の増減がひと目でわかる。
健診結果を受け予防プログラム参加
川部伸幸さん(71)は、2023年に初めて受けた国民健康保険加入者が受ける特定健診で、「血糖値が高い」という結果が出た。
この記事の画像(8枚)川部伸幸さん:
糖が上がってきていて、「危ない」というところまできている
川部さんは、荒尾市が2023年度から始めた情報通信技術・ICTを活用した糖尿病予防プログラムに参加することにした。
「リアルタイムで血糖値が見える」
この糖尿病予防プログラムには、40代から70代の男女8人が参加している。※国民健康保険加入者(自営業や会社を退職した74歳までの人)で特定健診を受け数値が高かった人が対象
川部伸幸さん:
“ピコッ”といったでしょう?これで血糖値が測れる
対象者は腕に着けたセンサーで2週間、毎日、血糖値を測り、食事の写真とともに専用サイトに送り、体重や血圧、歩数などの情報も可能な限り記録する。
測定期間の途中で担当の保健師が食事や運動などのアドバイスをする。3カ月後にも再度、2週間測定して前回からどのような変化があったかを評価する。
この事業の大きな特徴は自分の血糖値が「リアルタイムで見える」ところだ。
川部伸幸さん:
間食をしなくなった。上がるから…グラフが如実に出てくるから。もうやめておこうと
生活改善につなげ糖尿病予防へ
人口約5万人の荒尾市では、糖尿病が重症化して人工透析を新たに受ける人の割合が、熊本県内の自治体で10番目に多いという。
荒尾市の担当者は、「通常の健診では空腹時の血糖値しかわからないが、このセンサーを着けることで、食べたものが今どのくらい血糖に影響を与えているか、目で見てリアルタイムでわかる」と話す。
食事を見直し、運動の大切さを知ることで、まずは生活の改善につなげ糖尿病予防を諮る狙いだ。
荒尾市 保険介護課(保健師)・渡邊愛桃さん:
本人が生活改善をしていく中で、“自分の身体の中でどうなっているんだ”とわかった方が、“こうしなければいけないんだ”という自発的な改善につながると思う
荒尾市では、今後もこういった事業を通して市民の健康意識が高まってほしいとする。
(テレビ熊本)