相次ぐ製薬メーカーの不正製造問題をきっかけに、全国で慢性的な処方薬の不足が続いている。インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症の流行が追い打ちをかけ、熊本県内の薬局でも対応に苦慮している。
薬不足続く薬局…感染症流行追い打ちに
耳鼻科と内科の処方箋を主に受け付ける熊本市西区の「緒方健康堂薬局」でも、慢性的に品薄が続いていて、その種類も増えているという。ジェネリック医薬品や漢方薬が安定的に入らなくなったという。

緒方健康堂薬局(熊本市薬剤師会長)・丸目新一薬剤師:
ジェネリック医薬品メーカーの不祥事があって、そうでなくてもジェネリックのメーカーは規模が大きいところが少ない。生産できないところが増えてくると他のジェネリックのメーカーがそれをカバーしないといけないが、生産が追いつかない

あわせてインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症の流行が追い打ちをかけ、せき止めや、たんを切る薬が不足しているという。

緒方健康堂薬局(熊本市薬剤師会長)・丸目新一薬剤師:
ドクターの方には不足しているという情報を伝えているが、それも刻々と変わる。「きょうはこれ」「あしたはこれ」と処方する薬が変わるが、代用できない薬もある。そういった場合は、入ったら連絡して取りに来てもらうか、もしくはこちらから配達する。それを今やっている状況
国は増産要請も状況改善の見通し立たず
また、ロシアのウクライナ侵攻などで、抗生物質や糖尿病の注射薬など様々な薬が海外から国内に入りにくくなっているという。

緒方健康堂薬局(熊本市薬剤師会長)・丸目新一薬剤師:
どこも足りないので「うちのを融通してやろうか」ということはできない。だから店ごとに一生懸命確保している

特に子供用の薬が入りにくく、成人用の錠剤をすりつぶして飲みやすくするなどして対応している。国は製薬会社に増産を要請しているが、丸目さんはいつこの状況が改善されるかはまだ分からないと話している。

緒方健康堂薬局(熊本市薬剤師会長)・丸目新一薬剤師:
薬剤師としては、医師と患者と問屋に一生懸命対応しながら、なんとか需要と供給が満たされるようにしていきたいなと思っている
(テレビ熊本)