この週末、「めざまし8」は大阪ミナミにあるホストクラブを取材。

いま急増し、問題となっているホストクラブに通う女性たちによる売掛金をめぐる“金銭トラブル”。なぜ女性たちは高額な料金を支払うのか?その実態を取材しました。

相次ぐ“ホスト”をめぐる事件

ホスト)カンパーイ。もっともっと声出せ~まだまだ足りぬぞ、足りないお酒は~いっちゃってー、いっちゃってー。

“コール”で盛り上げるホスト
“コール”で盛り上げるホスト
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ホスト)素敵な姫よりコカレロタワーいただきました!カンパーイ!乾杯したら、それぐーっとぐっとぐっとぐっと大合唱。

煌びやかな店内に響きわたる、ホストたちによる盛り上げ“コール”。会話に耳を傾けてみると…。

ホスト:
(連日の報道について)売り掛け系とか知らずに来たわけやん。こういう問題って。どういう感じです?(笑)ホスト怖いなぁとかないの?
40代女性客:
あるよそんなん。あったよ、最初めっちゃ怖かった。今は別に…。
30代女性客:
私は担当の一番になりたい?じゃあ、次は私はこのお店の一番になりたいって、思っちゃうから…。

今、ホストクラブをめぐる事件が相次いでいます。

11月17日、新宿・歌舞伎町のホストクラブでは、17歳の女子高校生に酒を提供したとして、経営者とホストが逮捕。女子高校生は30回以上店に通い、売掛金、いわゆるツケを含め、合計173万円を支払っていました。

また、女性客から飲食代の売掛金を回収するため、顔を殴ってケガをさせたうえ、「まだ金あんだろ」と脅し、現金10万円を騙し取った疑いでホストが逮捕されるなど、暴行・恐喝事件に発展したケースも。

めざまし8は、ホストクラブ内部を取材

18日土曜日午後7時すぎ。大阪・ミナミにあるホストクラブの、営業前の“朝礼”では、客の売掛金について、従業員たちに説明が行われていました。

ホスト一同:
笑いに感動サプライズ、私たちは最強の仲間と共に最幸のサービスを提供する最高のホストクラブ。

ホストクラブ「IR」響涼聖社長:
連日報道されているからみんなも知っていると思うんだけど売り掛け、昨日やったらローランド君の店がうちは売り掛け一切禁止にしますってやってたけど、今のところ売り掛け禁止にしようとは思っていません。
ただね、大きな売り掛けをすることによって、女の子も大きな未収作っちゃったら、その分どうやって返そうと思って犯罪に手を染める子がいたりとか、立ちんぼ行っちゃう子もいたりとか。それって俺らが抑制できることやと思うから、絶対そこがないように気をつけてください。

ホスト一同:
はい!

「売り掛けは禁止ではないものの、推奨はしない」というこちらのホストクラブ。
それでも、店内の様子を取材すると、一部では売り掛けが行われていました。
いったいなぜ、女性客は売り掛けをするのでしょうか?

高額な売掛金「返せるけど気持ちがしんどい」

全員:カンパーイ。
ホスト:オッケーの予算どれくらい?
20代女性客:5、6(万円)。
ホスト:5万か6万オッケー。

乾杯の後、客の予算を確認するホスト。
この店の料金システムは2時間で5000円。ドリンクは1杯1000円からだといいます。

メニュー表を見ると3万円のシャンパンから100万円のものまで。そして、店内の一角に燦然と輝くボトルは、最高級のブランデーで、1本3000万円!

ホスト:今、売り掛けどれくらいあんの?
20代女性客:7万くらい。
ホスト:リアル、リアル。俺らは売り掛けないもんね?
20代女性客:は?
ホスト:リアルに今月なんぼ?
20代女性客:10万。

こちらの2人は、それぞれ7万円と10万円の売掛金があるといいます。過去にも…。

20代女性客:一番多くて70万かも。
ホスト:未収が?
20代女性客:うん。
ホスト:マックスいくら?
20代女性客:100(万)
ホスト:でも、100万ぐらいの未収は、どうよ?
20代女性客:返せる
20代女性客:(返せるけど)なんかもう気持ちがしんどい。

高額な売掛金を払える収入があっても、本音は精神的につらいといいます。

20代女性客:
一撃700万円ですね。現金です。それは未収じゃないです。ためてためてって感じでシャンパンタワーですね 全部それに溶かしました。指名していた子が代表昇格でバースデーで。
――そのときの感覚は?
20代女性客:

達成感はありましたね 約束していたんで無駄なお金とは思っていない。お金払っている分楽しませてくれるんで。

「現金やったら…」カバンから150万

一方、こちらの20代の女性客は…。

ホスト:今日金額ってどこまでやったらOKとかある?
20代女性客:うーん、現金やったら…。
ホスト:まじ?合同(イベント)って言ってたからこれ用意してくれたってこと?
20代女性客:うん

ホスト:(笑)こころづよ!まじで?やばいね。

女性客が取り出した150万円の札束
女性客が取り出した150万円の札束

カバンから取り出した札束。

20代女性客:150万ぐらいかな。
ホスト:150あんの?どこまでに抑えたらとかある?
20代女性客:うーん、これは別にIRで使う用やから。
ホスト:本当に!?まじ?
20代女性客:いいよ

ホスト:あわせてシャンパン頼んでも大丈夫?
20代女性客:うん

ホストたち「超、最高級、シャンパン ありがとうございまーす!」

テーブルに次々とシャンパンが
テーブルに次々とシャンパンが

次々と運ばれるシャンパン。テーブルいっぱいに並ぶボトルに満面の笑顔を見せる女性客。

そして…。

ホストたち「お姫のためのシャンパンパン、シャンパンは無限大~」

売り掛けの経験があるというこちらの女性。2カ月で700万円を使ったことがあるといいます。

ホストたち「シャンパン!シャンパン!シャンパン!シャンパン!シャンパン!」

――いままでMAX未収の金額は?
20代女性客:

130万ですMAX。
――どうやって返した?
20代女性客:

貯金です。その日たまたまお金が足りなかったのでとりあえず未収って形。
――売り掛けしてまで遊ぶ理由は?
20代女性客:

基本的にはお金持ってる範囲内でしか遊ばない。そのとき楽しくなっちゃって使いたくなったときは自分の貯金ですぐ返せる範囲でしかしない。

一時750万円売り掛け「この店の一番になりたい…」

さらに、750万円の売り掛けがあったという女性客は…。

30代女性客:
ホストいってお金使う自分がすごいみたいなところがあったから。しんどかったけど、頑張ろうかなと思った。私は担当の一番になりたい?じゃあ、次は私はこのお店の一番になりたいって、思っちゃうから、やっぱ売り掛けしたんじゃないかな。無理しちゃってたと思います。

初めは推しのホストを応援するために、高額なお酒を入れていたのですが、次第に店で一番お金を使う客になりたい…。そんな優越感を得るために、750万円もの売り掛けをしたのだといいます。

一方で、青少年を守る父母の連絡協議会、玄秀盛代表によると、新宿・歌舞伎町だけでなく、北は北海道から、南は熊本まで、特に大阪や関西方面に住む保護者からの相談も増えているといいます。

玄秀盛代表:
大阪やね。ちょっとエグいところあるよね。東京系とは、スタイルが違うのかもしれんけどなんかオラオラ営業じゃないけどイケイケ営業みたいなものをふっと感じるし。

――大阪からの保護者の相談っていうのはどれぐらい?
玄秀盛代表:

ざっくりと言うても10件、20件ではきかんのちがうかな。

歌舞伎町以外にも広がっているという高額な売掛金のトラブル。
地域の警察や自治体、国も連携したの新しいルール作りが求められています。
(「めざまし8」11月20日放送より)