食料品などの値上げラッシュが続く中、飲食店や商業施設などは、家計にうれしい様々な「割引サービス」を展開。
しかし世の中には、想像よりも“ナナメ上”に進化した「割引サービス」も存在する。
「まき割りでピザ半額」「夢を語るとラーメン無料」「ピアノ演奏で宿泊費が100円に」など、“ナナメ上”な「割引サービス」を取材した。
まずは“ハマのアメ横”の割引サービスから。
横浜の「洪福寺松原商店街」では11月10日~12日の3日間、特売キャンペーンを実施。

商店街にある「外川商店」では、お鍋に欠かせない4Lサイズの大きな白菜が、高い時で500円したものが150円に。

また「今野水産」ではマグロやカツオなどお刺身が全品1皿500円で販売されていた。

しかし、もう特売終わっていると思ってしまいそうだが、11月23日からは「歳末福引大売り出し」を予定しているようで、要チェックだ。
こうした、ある特定の条件を満たせば受けられる割引サービスは、他にもあった。
“あること”をすると受けられる割引サービス
京都市内にある“汁なし担々麺“の専門店「ラアノウミ」。
自家製ラー油と数種類のスパイスを合わせ、ほどよい辛さと芳醇なゴマがクセになる、汁なし担々麺。
これにお替り自由のご飯、そして温泉たまごかネギのトッピングが付いた910円のセットが、“あること”をすれば無料になるという。

週に5人ほどが利用するという、その“あること”というのが「お皿洗い」だ。
「京都市内の学生さんを対象に30分のお皿洗いをしていただけると、食事代を無料で提供させていただいています」(ラアノウミ店主・木元厚仁さん)

お腹いっぱい食べた後、30分間、皿洗いをすればお代がゼロに。
勉強や就活が大変でバイトに入れなくてお金がないという学生を応援するために、今年の3月からサービスを開始したという。
サービスを利用した学生は「30分働いて、こんなにいっぱい食べさせてもらって大満足です!」と、この割引サービスに大満足していた。
一方で、ちょっとハードル高めなことをしないと、割引サービスを受けられないお店も。
埼玉県久喜市にある「イタリア式食堂ブラン」。
店内は、山奥のペンションをイメージしており、石窯を使った絶品イタリアンが味わえる人気店だ。

ここで“あること”をすれば、もちもち生地が自慢のマルゲリータや自家製ベーコンを使ったピザなど、お好みのピザがどれでも半額になるというのだが、何をするのか。
調査員がお店に入ると「いらっしゃい!今日はまき割りということで、この大きなおのを使ってまき割りを20分間頑張ってください」と、おのを持って出迎えてくれたのは、店主の青木秀夫さん。

そう、“あること”とは、20分間、石窯で使うまきを割ると、ピザが半額になるのだ。
まき割り初体験の調査員。店主の青木さんのレクチャーを受けてからやってみるも「狙ったところに全然いかない…」と苦戦する調査員。

見た目以上にハードな肉体作業。
ちなみに、店主が割りやすい大きさにした丸太を3つ割るのが最低条件だという(女性は1つでもOK)。
初めてのまき割り体験に苦戦しながらも「割れました~!すごく大変…」と達成。

そして、まきを割った後はお待ちかねのピザが登場する。
今回選んだのは、ユズの風味がきいた特製の味噌ソースに、チーズと長ネギをたっぷり乗せ、約800度の高温で焼き上げた長ねぎと味噌のピザ。
通常1410円だがまき割りをしたため、半額の705円で食べることができた。

「ユズがアクセントになっていておいしいです!まき割り頑張ったので、すごく達成感があります」(調査員)
月に5人ほどが利用するというこの割引サービス。
なぜ始めたのか?店主の青木さんはその理由を「僕が楽をするためです。毎朝(まき割り)大変なので…」と笑って話していた。
続いては、“あること”を語るだけで受けられる割引サービス。
明るい夢&暗い過去を語ると受けられる割引サービス
佐賀県鳥栖市にあるボリューム満点、こってりスープでおなじみ二郎系ラーメンのお店「夢を語れ」。
店名の通り夢を語るだけで、大ぶりのチャーシューと野菜マシマシでボリュームたっぷりのラーメン1000円が無料になるというのだ。

割引を受けられるのは中学生限定だが、語る夢は何でもいいとのこと。
過去には「彼女とデートなので、手をつなぐ」という、なんともかわいらしい夢を語った中学生もいたのだという。

回数制限はなく、週に3日やってくる中学生もいるとのこと。
明るい未来を語れば受けられる割引サービスがある一方、東京・大田区にある創業27年、地域密着型の美容院「WORST ONE(ワーストワン)」で語るのは「暗い過去」。

お店のドアには「ワケありの方は料金交渉OK!」の張り紙が。
一体何を語ればいいのか。店主の後藤さんは「これは耐えられないだろうなとか暗い過去を語れば、『今日はいくらでいいよ』と割引する。少しでも得したと思ってくれれば、うれしい」と話す。

つらい過去の経験や現在抱えている悩みなどを語り、後藤さんの胸に響けば、つらさの度合いによって割引額が決定するという。

過去にはこんな暗い話も「10年ほど前、お付き合いしている2人が結婚し、お子さんが生まれ、その間もずっと2人で来てくれていたが、『離婚しました』と…。カットが基本3300円なんですけど、『今日はもう1000円だ!』」ということもあったようだ。
後藤さんは「例え演技でも、気持ちよくダマしてくれたら気持ちよくダマされますよ」と話していた。
続いては、事前予約すれば受けられる割引サービス。
太っ腹な割引を行う和食料理店
山梨県甲府市にある「加賀本店」。地元のみならず、全国から客が訪れる人気店。
その理由が、デカ盛りで安くてうまい。
約30センチのえび天が5本も乗った天丼は、このボリュームで1980円。

魚介てんこ盛りの海鮮丼も、丼からあふれるほどの量で1650円だ。

さらに事前予約すると安くなるメニューも。
静岡産の大ぶりのうなぎを丸々1本使った「うな重の特々大」6600円が、電話一本で事前予約するだけで4950円になるという。

ただし、来店の1週間前に予約することが条件。
店主の加賀美哲さんは、「事前に予約してもらうと、仕入れにこだわっているのでロスも出ないんですね、数が決まるから。いろいろサービスできるじゃないですか、具をたくさん入れたりとか(予約)最高ですね」と話す。
最近では、大半が予約客だそうで、予約の電話が朝5時くらいに鳴ることもあるんだとか。
一方、事前予約で超お得になる宿も。
ピアノ演奏で宿泊料100円の宿
新潟市の岩室温泉にある越後平野と弥彦連山一望の宿「穂々(ほほ)」は、事前予約した上で“あること”ができれば超、超、格安で泊まれるお宿なのだという。

明治初期創業の趣のある館内。
300年あまりの歴史を持つ岩室温泉は「黒湯」が特徴で、とても立派な旅館なのだが、3日前までに事前予約すれば落ち着いた純和風の部屋に、新鮮なアワビや新潟のブランド牛にフグ鍋、さらに豪華な舟盛りまでついた通常24800円のプランが驚異の約99.6%オフになるという。
つまり、100円で宿泊できてしまうのだ。

ただし、100円で泊まるには少しハードル高めの条件があるという。

「ピアノ演奏を1回90分。それをチェックインした日とチェックアウトする日、2回演奏していただくと100円でお泊まりいただけます」(社長 石添嗣好史さん)
そう、ラウンジにあるグランドピアノを弾くのが割引の条件。
そして「1回90分の間は同じ曲は弾かない」などの条件もあるが、今では月に約20組がこの割引サービスを利用しているという。

取材した日も、ピアノを弾くお客さんの姿が。
こちらの女性、幼い頃からピアノを始め、現在はピアノ教室の講師だといい、今回100円プランで宿泊しているという。

「常に楽器の生演奏が流れている宿にしたいなと思って」と話す社長の石添さんは、演奏中は自ら選曲や音の大きさなどをチェック。
もし一定のレベルに達していない演奏の時は、その場で中止。
宿泊料金は100円のままだが、次回はお断りするようにしているという。
とはいえ、現在まで中止せざるをえないほどの演奏をした利用客はいないとのこと。
実際にピアノを弾いたお客さんは「近かったら毎日泊まりにきたい」と話す。
そしてこのプラン、サックスやトランペットなどピアノ以外の楽器を持ち込んでの演奏でもOKのようで、プロでも利用できてしまうという。

ちなみに、石添さんはどれほどのピアノの腕前なのか聞いてみると「全く弾けません。私はロックが大好きです!」とのことだった。
ピアノに自信がある方はぜひ、お得な割引サービスを利用してみては。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年11月14日放送)