「交番で警察官の拳銃が奪われ、死者が出ている」
衝撃的な一報に手が止まった…。

富山県内の交番で21歳の男が警察官を刃物で襲い、拳銃を奪って発砲。
近くの小学校付近にいた男性警備員が撃たれて死亡した。

“市民の安全を守るための拳銃”によって、一般市民の命が奪われてしまったのだ。

過去にも拳銃が奪われる事件が…

これまでにも拳銃が奪われる事件は多く発生している。
2005年5月、岐阜県多治見市で警察官の拳銃が奪われた。
拳銃と警察官の腰のベルトをつなぐ『つりひも』が切られてしまい、拳銃が強奪されたのだ。

警察庁はこの事件をきっかけに、『つりひも』の強化に着手。
2006年3月、『つりひも』の芯に特殊な金属を入れて切断されにくいものに改良した。

しかしその後も、拳銃が奪われる事件は後を絶たない。

2014年には愛知県知立市で、ブラジル人の男が警察官の拳銃を奪い、2発発砲。
銃弾は警察官の右腕を貫通し、全治1週間の軽傷を負った。

2016年には神奈川県横須賀市の団地で、男が警察官の拳銃を奪い、発砲。
警察官は肩と足を撃たれ重傷を負った。

警察官が拳銃を奪われた事件は、今回の事件をのぞき、2013年以降だけでも6件発生している。

警察庁の対応は?

警察庁

そもそも拳銃は革製のケースに入れ、ふたのボタンをかけたうえで、腰のベルトに装着。
さらに拳銃のつりひもとベルトを結びつけるよう決まっている。

警察庁は今回、一般人の命が失われたことなどを受けて、対応を急ぐ。
新たに導入するのは「奪われにくい拳銃入れ」。

使用する警察官以外の角度からでは拳銃が抜けないなど、第三者に奪われないための改良を進めた。

元々は2020年度を目途に導入予定だったものだが、今回の事件を受けて急遽計画を前倒し。
再発防止策として、できる限り早く全国の警察に配備する方針だ。

ただ、「警察官がいざ使用すべき時に即座に銃が抜けないということがないようにすることも重要」との声もあり、拳銃が奪われないよう工夫すると同時に、警察官が使いやすい装備も考えていかなければならない。

ある警察幹部は、「装備だけではダメ。訓練だけでもダメ。総合的に対応していかなければこうした事案は防げない」と警鐘を鳴らす。

今後、同じような悲劇が繰り返されないためにも、警察組織として徹底した対策が求められている。

(社会部 警察庁担当 山下高志)