熊本・宇城市の食材を生かしたコース料理を海を見ながら楽しむイベントが、世界文化遺産の三角西港で開かれた。腕を振るうのは国内外で活躍する熊本出身の一流シェフたちで、いわゆる規格外の野菜や魚介類を使いSDGsを目指す取り組みだ。

絶景のロケーションに旬の素材でコース料理

2015年に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の一つとして登録された熊本・宇城市の「三角西港」で、10月29日に「もったいなかレストラン」が開かれた。

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東京からの参加者:
こんなにすてきなところが日本、熊本にあるんだなぁと

熊本からの参加者:
SDGsに関心もありますし、何よりおいしいものが食べたくて

美しいロケーションを誇る観光スポットで、地元で採れた旬の食材を使ったコース料理が振る舞われた。

腕を振るったのは国内外で活躍する熊本出身の食のプロ、フランス・パリに店を構える中山豊光シェフや、東京のミシュラン一つ星レストランでオーナーパティシエを務める平瀬祥子シェフなどだ。

中山豊光シェフ:
(宇城市の魅力は)自然と食材。数年後には、この土地が有名になるかもしれない

規格外の野菜や魚介類がコース料理に

今回イベントのテーマは「フードロスの削減とSDGsの促進」。大きさや形などを理由に一般には市場に出回らない、いわゆる「規格外」の野菜や魚介類なども活用する。

振る舞われたのは、大きさにばらつきのあるエビをミキサーにかけてムース状にしフライにした一品。また、黒毛和牛を使用したメインの肉料理では、普段は捨てられる醤油の搾りかすで包みローストすることで、肉をさらに柔らかくした。

参加者からは「捨てる食材を使っているのか?と思うぐらい食材が生かされていて、おいしく、心から満足」「海を見ながらなので、開放的で雰囲気がいい感じがします」といった声が聞かれた。

コースの締めはモンブラン。地元産のバニラで作ったアイスクリームの香りが栗の味を引き立てる。

生産者の思いをシェフが愛情込めて消費者へ

抜群のロケーションにぜいたくな料理、大満足の様子の参加者の姿に、腕を振るった平瀬祥子シェフは「ずっとドキドキしてましたが、うれしいお言葉も頂けたのですごくホッとした。心を込めて食材を作っている人がいるから、私たちがお客さまにつなぐために愛情を込めて作ることを意識している。それが結果的にSDGsにつながるのかな」と話した。

世界文化遺産「三角西港」で開かれた1日限定のレストランでは、一流シェフの手によって宇城市の新たな魅力が紡ぎ出されたようだ。

(テレビ熊本)

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