元交際相手の女性と同居する男性を刃物で刺し、殺害しようとしたとして逮捕された男の身柄が検察庁に送られた。事件現場となったマンション4階の部屋には、なんとベランダから侵入したとみられることが新たにわかった。

現場は4階 侵入経路は…

殺人未遂や住居侵入などの疑いで送検されたのは、浜松市中区の派遣社員(いずれも自称)の男(41)だ。

男は10月28日夜、元交際相手の女性(30代)と同居する男性(60代)が暮らす浜松市東区のマンションに忍び込み、2人を刃物で刺し、殺害しようとした疑いが持たれている。

男を乗せた車両(10月31日午前9時半頃)
男を乗せた車両(10月31日午前9時半頃)
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現場となった部屋はマンションの4階。ただ捜査関係者によると、男は驚くべきことにベランダから窓ガラスを割って室内に侵入した上で、脱衣所で待ち伏せしていたとみられている。

執行猶予期間における犯行

また、男をめぐっては2023年に入って以降、被害女性からトラブルに関する相談がたびたび寄せられ、警察も介入していたことがわかっているが、6月には女性へのストーカー行為で執行猶予付きの有罪判決が言い渡されていたことも判明した。

裁判記録などによると男は2023年3月、女性に対して「絶対に許せないから仕返しとして死んでやるよ」「居場所がわかったのは車にGPSを付けていたからだよ」などと携帯電話からメッセージを送信。このため、警察がストーカー規制法に基づく「禁止命令」を出した。

しかし男はその後、女性の車に無断でGPS発信機を取り付け、取得した位置情報を基に2023年4月、コンビニの駐車場で待ち伏せして声を掛けたとして逮捕・起訴されるに至った。

裁判の中で男は「多額の出費をしてきたにも関わらず、他の男性と交際している様子で裏切られた気持ちになった」「被害者への関心を断ち切れずに犯行に及んだ」と動機に言及。

こうした中、静岡地裁浜松支部は6月28日、「強い執着心に基づく執拗な犯行で、プライバシーを著しく侵害し、強く不安を抱かせる態様」と非難した一方で、男が反省の弁を述べていたことや二度と女性に接触しないと約束したことから、懲役6カ月・保護観察の付いた執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

ところが、男は翌7月には「女性に連絡を取りたくなる」などと警察に相談。その後も女性の友人に電話を複数回かけるなどストーカー行為が収まることはなかった。

男を凶行に駆り立てた動機は…

2人を刺した後、逃走を図って袋井市内で身柄を確保された男。近所の人によれば、その際「あいつが500万円を返さないから悪いんだ」と叫んでいたという。

殺人未遂事件の現場となったマンション(浜松市東区)
殺人未遂事件の現場となったマンション(浜松市東区)

男の思い込みなのか、はたまた実際にトラブルがあったのか。その点については女性からも話を聞いてみないことにはわからないが、少なくとも2人が破局した後の2023年1月には女性が男との金銭トラブルについて警察に相談していたことが明らかになっていて、犯行の経緯や動機の解明が進められている。

(テレビ静岡)

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