静岡市のホストクラブで働く男子大学生に暴行を加え死亡させたとして、同じ店の同僚ホスト4人が逮捕された。また、このうち2人と別のホスト2人は男子大学生にわいせつな行為をした疑いも持たれている。
「人を引きずっていた」 その20分後に…
「駒形通の商店街付近で、20代前後の男4人が意識の無さそうな人を引きずっていた」
9月6日午後2時頃、静岡中央署青葉通交番に通行人から1本の通報が寄せられた。
それから20分ほどが経った午後2時20分過ぎ、今度は静岡市葵区にあるホストクラブの関係者から「男子大学生が息をしていない」という通報が消防にあった。現場は、警察に通報があった商店街からほど近い集合住宅。ホストクラブが従業員寮として借り上げていた場所だ。
この記事の画像(4枚)通報を受け、救急隊が男子大学生(23)を葵区内の病院に搬送したものの午後3時12分に死亡を確認。後の司法解剖で溺死であることがわかった。捜査関係者によれば、男子大学生は発見時、裸で湯船に浸かった状態だったという。
広範囲のヤケド 警察は事件性を視野
しかし、遺体には広範囲に及ぶヤケドの痕が見られたことなどから、警察は事件性も視野に捜査を開始。関係者への聴取などの結果、同僚のホストA(23)と店の実質的な責任者B(30)が9月6日に従業員寮で男子大学生にヤケドを負わせた疑いがあるとして2人を傷害容疑で逮捕した。
さらに調べを進めると別の同僚ホストC(26)が2022年11月、ホストクラブの店内で男子大学生に対して殴る蹴るなどの暴行を加えていたことも発覚。また、Cには2023年5月にも店内で男子大学生を床に引き倒すなどした疑いが浮上し、いずれの事案も逮捕されている。
こうした中で警察は10月25日、A・B・C、そしてBの弟でありホストのD(28)が共謀し、従業員寮で男子大学生に暴行を加え死に至らせたとして、傷害致死の疑いで4人を逮捕したと発表。
一方でA・Bに加え、同僚ホストのE(30)・F(29)について、2023年5月、ホストクラブの店内で男子大学生にわいせつな行為をしたとして逮捕していたことも明らかにした。
ただ、警察は死に至らしめた暴行の犯行状況や凶器の有無、ヤケドの部位、わいせつ行為の内容などについては口を閉ざしている。
1年ほど前から夜の世界へ
事件以前に亡くなった男子大学生から暴行やトラブルに関する相談はなく、警察によれば死亡する1年ほど前からホストクラブでのアルバイトを始め、2023年春頃からは事件現場とは別の従業員寮に入っていたとみられている。
閉ざされた環境下で起きた凄惨な事件。警察は全容解明に向け捜査を続けている。
(テレビ静岡)