54歳とは思えない筋肉が自慢のボディービルダーの男性。10月にスペインで開かれた世界大会に挑んだこの男性は「先の人生を考えると今が一番若い」と語り、妻と二人三脚で厳しいトレーニングを続けている。
何歳になっても育つ「筋肉」
「筋肉というのは何歳になっても大きくなっていくんですよ。自分からしたら筋肉は自分の子供と一緒なんですよ。育てている。ここで」と力を込めて語るのは、佐賀市在住の北原誠さん(54)。
市内でトレーニングジムを経営しながら自身もボディビルの競技者として鍛錬する日々を送っている。
北原さんは2023年8月、大分県で行われた日本クラシックボディビル選手権で171cm以下のクラスで準優勝。映画俳優としても有名なアーノルド・シュワルツェネッガーさんが10月にスペインで開いた世界大会にも出場した。
ボディビルは「立体感」で勝負
北原誠さん：
きょうはお尻から後ろを鍛えます。バックポーズとかした時に一番差がつきます
ウエイトトレーニングは週に5日間。この日は下半身を重点的に鍛える器具「レッグプレス」で最大260kgに挑戦。1セット8回を6セット繰り返す。
北原誠さん：
ボディビルって四方から見られる競技なんですよ。横から見た時、前から見た時に立体感が大切なので
鍛えた筋肉を魅力的に見せる「ポージング」。大会での上位進出を狙う上で、元競技者、妻・順子さんのアドバイスは欠かせない。
順子さんは「肩があまり上がらないように。そうそうそう。いいと思います。OKです」と声をかける。
妻・順子さん：
肘が落ちていたりすると、見た目がだらっとなってくるので、張りが出るような感じで、大きく見えるようにポージングをアドバイスしています
若い頃「ガリガリに痩せていた」
今では北原さんの生活の中心なっているボディビル。始めたのは17歳の時だった。
北原誠さん：
ガリガリに痩せていたんですよ。その時、プロレスブームだった。それに憧れまして、それで始めました。お年玉をためて、通販でまずバーベルセットを買ったんです。安いのを
4年後、初めてエントリーした大会で早速結果が出る。
北原誠さん：
最初のデビュー戦は、1990年の福岡大会ですね。ジュニア部門で優勝しまして、いけるな俺、と思いました
ジム会員歴8年・大島盛嗣さん：
北原さんは体の脂肪が極端に少ない。結局ボティビルは筋量もすごく大事なんですけれども、いかに脂肪をそぎ残した状態で、大会に出るか。体の絞り方がとてつもないんですね
自転車を使ったトレーニングも。
北原誠さん：
足のトレーニングと、自転車によるダイエットですね。距離は大体30kmの予定です
一心不乱にペダルをこき、約2時間にわたり太ももの筋肉、四頭筋と呼ばれる部分に負荷をかけ続ける。大会前の期間はこの自転車でのトレーニングをほぼ毎朝行っているという。
北原誠さん：
つらい減量、つらいトレーニングとかをやっているじゃないですか。ステージに立ったら、ガーとアドレナリンが出てくるんですよ。それが私としては最高の瞬間です
一方順子さんは、誠さんを食事面で支える。「脂肪と糖分は一番カットしたい部分」と話し、朝食を作っていた。
北原誠さん：
トレーニングが終わったばっかりなんで、食欲はめちゃくちゃある感じではないですよね。次、ジムでもトレーニングしないといけないので今食べる。食事面とか支えてもらっているので、自分と嫁さんとで体をつくったような感じです
トレーニングの様子をいきいきと話す北原さん。しかしここ5年間、競技者の第一線からは退いていた。
妻が支えるトレーニング
北原誠さん：
あまりにもつらくて。減量とトレーニングと自転車が。5年前のメモ帳を見たら分かるんですけれども、「これ以降絶対コンテストはきついので、絶対出ない」と書いているんです
一度は閉ざした競技者としての道を歩みだした理由は、2008年にミス健康美で優勝した経験もある妻・順子さんともう一度、表舞台に立つことにあった。
北原誠さん：
嫁さんも10年くらいコンテストに出ていないんですけど、私が出ないと嫁さんを引っ張り出せないと。こんなマニアックな趣味をお互い分かち合うというのは、なかなかできないので
妻・順子さん：
今初めて聞いた
北原誠さん：
あと1回は出て、人生で
先の人生考えると「今が一番若い」
家族にも支えてもらいながら、再び厳しいトレーニングの世界に身を置いた北原さん。
北原誠さん：
年は絶対に取っていく。先の人生を考えれば今が一番若い。毎日毎日が一番若いんですよ。世界のステージに立てるということは本当非常に光栄
（サガテレビ）
