10月は食品ロス削減月間。日本の食品ロスの半分以上が、売れ残りや飲食店などの食べ残しなどの「事業系食品ロス」だという。店からの食品ロスを削減し、食費者は食品をお得に購入できるフードシェアリングサービスが広がっている。
食糧支援の1.2倍の量を廃棄
日本では毎日、国民1人あたり大体ごはん茶碗一杯分の食品を捨てている。食べられるのに捨てられている「食品ロス」は、国内で一年間に523万トン。これは、東京ドーム・約4杯分で、国連食糧計画が飢餓に苦しむ途上国などに対して行う食糧支援の1.2倍に該当する。

ゴミの量 中核市で最多の郡山市
食材を無駄にしない。そして食べ残しを出さないよう、気を付けている人も多いと思うが…福島県郡山市は市民1人が一日に出すゴミの量が2020年度から2年連続で全国62の中核市の中で最多。

このうち一定の割合を占める食品ロスを減らすため、郡山市は2023年12月に「タベスケ」のサービスを試験的に導入する。

ウェブ上に出品 消費につなげる
「タベスケ」は、ウェブサイトを通じて食品ロスを減らすサービス。食品を扱う店が賞味期限の迫った商品などを出品して販売し、消費に繋げる。

中には値下げされるケースもあり「安く買えて食品ロスを防ぐことに繋がるのであれば、ぜひ利用したい」「それは大賛成、もったいないもの。今食べられない人いっぱいいるんだから」と市民からは歓迎する声が聞かれた。

タベスケ導入 福島市のケース
福島県内には、すでに導入している自治体もある。福島市の菓子店「清泉堂」は、「タベスケ」にケーキやプリンなどを出品している。商品によって違うが、半額近くまで値下げする商品もあって、多い日で一日10件を超える注文が入るという。

時間と個数を予約 店舗で受け取り
この日、ラインナップされていたシューパイは、なんと33%割引に。時間と個数を指定して予約すると、店舗で受け取れるというシステム。

福島市は2023年9月から「タベスケ」と連携していて、10月4日までに菓子店など7店舗が参加し、登録している消費者は1300人以上。食品ロスを、約37キロ減らせたと見られている。

店側も消費者側も利用料は無料
「清泉堂」では売れ残る量を2割から3割減らせているという。清泉堂の齋藤隆一社長は「これを通して少しでも安く提供できれば、その分お客様の財布のひもが緩んでくるかもしれない。そうすれば売り上げにつながる」

「もちろん宣伝効果もあり、最終的にはごみの削減にもつながっていると実感している」と話す。

店にも消費者にもメリットがあって「もったいない」を減らせる取り組みが始まっている。
(福島テレビ)