子どもの頃、本やテレビに夢中になって親から「離れて見なさい」と注意されたことは、多くの人が経験しただろう。
そして今、スマホやタブレットを多用する今どきの子どもの目を守るため、保護者に変わって「離れて見てね」と教える近視対策ライトが登場した。

株式会社キングジムが発売する「めまもりん」は、タブレットやゲーム機、スマホ、ノートPCなどに取り付け、画面と顔が約30cm以内に近づくと音と光で警告。この「30cm」は、医療機関などが推奨している、目と画面を離す最低限の距離とのことだ。
本体は重さが約75gで、LEDライト、ブザー(ON・OFF可)、距離を測る赤外線距離センサーを内蔵。下部にあるクリップで、厚さ約6~15mmのデバイスに取り付けることができる。

また、タブレットに文字を書くときなどデバイスを平らに置く場合は、付属のスタンドで卓上での使用も可能だという。

電源は充電式で専用ケーブルが付属し、約6時間の充電で約22時間の連続使用ができるそうだ。
価格は5500円(税込)で、10月27日に発売される。

同社によると、子どもの近視が年々増加中で、深刻な社会問題になっていると指摘。子どもは集中すると画面に顔を近づけがちで、保護者が「離れて見よう」と何度も注意しなければならず、一方で子どもはどのくらい離れればいいか分からないのだとか。
そんなお互いに嫌な気持ちになることに注目し、「めまもりん」を企画したという。

ところで「めまもりん」を開発するにあたって、どんなところにこだわったのか?本体の75gはある程度の重さとなりそうだが、使う時は気にならないのか? キングジムの担当者に聞いてみた。
子どもを持つ社員の実体験がきっかけ
――「めまもりん」開発のきっかけは?
子どもを持つ社員の実体験がきっかけです。
タブレットで子どもが動画を見ているとき、「目が近いよ!」と注意する大変さ、一方で何度も注意される子供のモヤモヤ、両方を解決できないか?と考えたこと。また街中でも、近い距離でタブレットやゲーム機を触る子どもを良く見かけるようになったことから「子供の近視」にかかわる商品を作れないかと考えました。
――保護者が子どもに「離れて見よう」と注意するのはそんなに多い?
子どもを持つ複数の社員にヒアリングを行ったところ、ほぼ毎回注意をしているという意見が多く聞かれました。
また、注意した直後は画面から離れているのですが、集中するとだんだんと顔が近づいていき注意される……といった繰り返しで、子どもも気付かないうちに画面に近づいてしまっており、距離が分からなくなっている、とのことでした。
――重さ75グラムだがスマホにつけても気にならない?
対象年齢のお子様たちに協力頂き、検証しましたが、手が疲れたり、重さが気になるといった声は頂きませんでした。
ちなみに主用途のタブレットについては、カバーで自立させた状態で本体を取り付けても後ろに倒れない重量になっています。
――開発で「苦労した点」や「こだわった点」は?
中身の部材サイズに制約がある中で、最大限コンパクトな見た目にすることに苦労しました。
こだわった点としては、誰でも直感的に分かるライト・ブザー(音を嫌がる子どもや外出先で使うことも配慮し、消音可能)でのお知らせ方法や、シャープエッジを抑えたフォルム、指を挟んでも痛くないクリップなど、子ども使いに配慮した仕様。
またクリップを挟めない場面でも使えるよう、スタンド機能を持たせたことなどです。
SNSでも需要の高さを実感
――充電が少なくなったことは分かる?
電源LEDの色変化でお知らせします。
――社内での反応は?
子どもを持つ社員は、やはり同様の悩みを抱えている者も多く、「こんな商品が欲しかった!」という声が上がっておりました。
――SNSでの評判はどうだった?
SNSでは「これは良い」や「我が子に欲しい」といったお声を頂戴しております。また、デバイス画面だけはなく「本にも使いたい」とのお声もあり、「めまもりん」の需要の高さを感じております。
――他にも「子どもへの悪影響」対策の製品を検討している?
「めまもりん」に対する反響を踏まえ、今後も暮らし全般を新発想で快適にすること目指した製品の開発を検討してまいります。
――ちなみに「めまもりん」の名前は、目を守ることから付けた?
子どもの目を守る「めまもり」と、保護者の代わりに子どもを見守る「みまもり」が由来です。また子ども向け商品ということで、キャラっぽさを出すべく可愛い語尾も付けました。

みなさんの中にも「めまもりん」を使いたいと思った人もいるのではないだろうか。大人も子どももスマホのニュースを読むときは、画面と顔の距離を十分に離して目の健康を守っていただきたい。