職場でのトラブルやハラスメント被害などは、その時の音声を録音しておくと問題の解決に役立つことがある。とはいえ、一般的なボイスレコーダーは目立ってしまいがちだ。

そんな状況でも、違和感なく録音できるアイテムがある。それが、医療機器や録音機器を販売する、株式会社MEDIK(東京・中央区)が開発した「電卓型ボイスレコーダー VR-C003」。

電卓型ボイスレコーダー VR-C003(提供:MEDIK)
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電卓とレコーダーの“1台2役”を実現

電卓にしか見えないデザインとは裏腹に、その機能は正真正銘のボイスレコーダー。音質重視モード(HQ)で計70時間、録音時間重視モード(SP)で計140時間までの録音に対応していて、音声データのファイル形式「WAV」として、最大199件まで保存することができる。

長時間の録音に対応している(提供:MEDIK)

内部スピーカーとイヤホンジャック、MicroUSB端子も備えていて、録音した音声をその場で確認できるほか、パソコンにデータを移して聞くことも可能だ。データを定期的にバックアップしておけば、保存数の上限などを気にする必要もない。

スピーカーやイヤホン、USB端子を備える(提供:MEDIK)

そしてもちろん、電卓としての機能もしっかり持ち合わせている。一般的な計算機能のほか、消費税8%や10%に対応できる「税計算ボタン」もある。サイズは縦148ミリ×幅105ミリで重さは140グラムと、一般的な電卓とほぼ変わりないものだ。

電卓としても十分に使える(提供:MEDIK)

クラファンでは目標金額の650%を達成

この電卓型ボイスレコーダーは、クラウドファンディングサイト「Makuake」で5月中旬に先行予約販売が始まると、終了日の6月21日までに、目標金額の50万円を大きく上回る約327万円(654%)の寄付が集まり、瞬く間に話題となった。

クラウドファンディングサイト「Makuake」より

6月25日からはMEDIKのオンラインショップなどで一般販売も開始され、直販価格は1万4080円(税込)となっている。カラーは白と黒の2種類が展開されていて、MEDIKによると、予約分を含めて250台以上が売れているという。(6月25日現在)

カラーは白と黒(提供:MEDIK)

ビジネスパーソンには役立ちそうだが、録音が周囲に気付かれることはないのだろうか。なぜ、電卓をボイスレコーダーにしようと考えたのだろう。MEDIKの担当者に聞いてみた。

もともとは、商談での「言った言わない」を解決するため

ーー電卓型レコーダーの開発経緯を教えて

もともとは商談や契約の場で問題となりがちな「言った言わない」を解決しようと、議事録の録音用に開発したものです。一般的なボイスレコーダーは使うと相手に警戒されたり、嫌な顔をされることが多いので、違和感のないことを重視して電卓型としました。初代は2012年に発売していて、今回の製品は機能追加やデザインの改良などをし、リニューアルしたものになります。

違和感のなさで電卓型にしたという(提供:MEDIK)

ーー開発でこだわったところは?

初代も電卓とボイスレコーダー機能はありましたが、今回の製品ではどちらもよりしっかりと使えるようにこだわりました。内部基盤を高性能なものに変えたほか、周囲のどこから音がしても同じように録音できる「無指向性マイク」などを搭載しています。


ーーリニューアルで何が変わった?

電卓としては、より電卓らしいデザインになったほか、消費税の計算機能などを追加しました。ボイスレコーダーとしては、録音の日付を記録できるようになり、録音内容を保護するパスワード機能も追加しました。VOS機能という、周囲の音声を感知して録音のオン・オフを自動で切り替えられる機能も新たに採用しました。

VOS機能のイメージ(提供:MEDIK)

電卓の操作音は録音される

ーー録音できる距離は?電卓の操作音は残る?

何メートルとは表現できませんが、周囲の音は基本的に録音できます。音質重視と録音時間重視があり、音質重視にすればより鮮明に音を拾います。録音中でも計算はできますが、電卓を叩く音は拾ってしまいます。本体でマイク感度を調整することもできます。


ーー電卓と録音の切り替えはどう行う?

製品上部には「CRP」というセレクターがあり、ここでモードを切り替えることができます。Cで電卓(カルキュレーター)、Rで録音(レコーディング)、Pで再生(プレイ)となり、製品右上にある「録音・停止ボタン」や「再生」ボタンを押すことで、録音や再生できます。

録音中はこんな感じになる(提供:MEDIK)

ーー録音中の電卓はどうなっているの?

製品の液晶画面の上部に、録音時間が表示されます。ただ、小さいので違和感はありません。


ーーパスワード機能はどのようなもの?

数字で4桁の暗証番号を設定できるものです。設定すると再生機能にロックがかかり、入力が合わなければ再生ができませんし、PCにつないでもファイルが閲覧できません。ロックがかかった状態でも電卓機能と録音機能は使うことができます。

パスワード機能なども搭載(提供:MEDIK)

ーー電源は?どのくらい使える?

製品内蔵の充電式バッテリーに、MicroUSBで充電する形となります。充電時間は約2.5時間で、最長録音で約28時間、連続再生で約18時間使えます。電卓モードでの時間は測定していませんが、録音や再生よりも長時間は使えるはずです。
 

パワハラ・セクハラの証拠も残せる

ーーどんな場面での利用を想定している?

メインは商談や契約の場でのトラブルを防ぐためですが、パワハラやセクハラの証拠を残すことにも使えると考えています。今はスマホで録音をする人も多いですが、怒られている場や会議中にスマホを操作するのは、周囲には不自然に映ることもあります。電卓だと職場にあっても違和感はないですし、VOS機能をオンにすれば自動録音もできます。

もしもの時の安心につながる(提供:MEDIK)

ーーハラスメントの対処に使った人はいる?

今回の製品はまだ発売したばかりですが、初代を含めると「これでパワハラなどの証拠を残した」という意見も寄せられています。商談関係でうまくいったという反応もありました。


ーー製品をどう役立ててほしい?

ボイスレコーダーと聞くとバータイプを想定される人も多いと思いますが、電卓型だと使い方の幅が広がるのではないかと思います。弊社ではペン型のボイスレコーダーなども扱うので、用途に応じて使い分けていただければと思います。


電卓型であれば職場に置いたり、ビジネスバッグに忍ばせても不自然ではないだろう。もちろん悪用してはいけないが、自分の身を守るための備えとして役立つかもしれない。

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