“崖っぷち”日本男子W杯バレー勝負の3連戦　カギは「フェイクセット」「サービスエース」「エースの復調」福澤達哉氏が解説！

パリ五輪の切符をかけたW杯で、厳しい戦いが続く男子バレーボール日本代表。
現在、3勝1敗で4位につけていますが、6日からは、世界ランキング9位のセルビア、7位のスロベニア、2位のアメリカと、勝負の3連戦になります。

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“崖っぷち”の日本男子バレーを救う、「勝利のカギ」はどこにあるのか？

倉田大誠アナウンサーと、元日本代表であり今大会の解説を務める福澤達哉氏が読み解きます！

日本男子バレーを勝利へと導く「三つのカギ」

現在の順位は、1位アメリカ、2位スロベニア、3位セルビア、日本はこの下4位につけています。上位2チームがパリ五輪への切符を手にできる中で、日本はこれから上位3チームとの試合を控えている状況です。

倉田アナ：
とにかくきょう（6日）の一戦、負けてしまうと自力優勝がほぼ消滅してしまうというような状況なので、そんな中で「勝利のカギ」というものを三つあげさせていただきます。

【勝利のカギ①　フェイクセット】
「フェイクセット」は、レシーブで上がったボールをアタッカーが打つと見せかけて、別アタッカーへトス、そこでアタックを決めるというテクニックです。うまく引きつけると得点のチャンスに！

トルコ戦の第1セットでは、髙橋藍選手がバックアタックを打つ体勢で走り込んできて、空中で体の向きを変え、西田有志選手にトス。

相手のブロックが1枚になったところに、西田選手が強烈なアタックを決めるというシーンもありました。

福澤達哉氏：
セッターが1本目を取ると、コンビが組み立てられなくなるので、本来は不利な状況なんです。それをスパイクが打てる髙橋選手に上げることで、2アタックの可能性を残して、そこからさらに西田選手に上げているので、チーム内の連携ができないとできない。簡単そうにやっていますが、非常に高度なテクニックです。日本の武器になっています。

【勝利のカギ②　サービスエース】
サーブが得意な選手が多い日本。特に注目は、髙橋藍選手、石川祐希選手、西田有志選手です。

3人の今大会でのサービスエース数を見てみると、髙橋藍選手は4試合で5本、エースの石川選手も4試合で6本、そして、西田有志選手はフィンランド戦で5本を決めるなど、4試合で11本のサービスエースを決めています。福澤氏によると、西田選手のサーブは速いときは、時速120kmを超えるといいます。

福澤達哉氏：
身長差がある日本にとって、サーブで崩すというのは非常に大事な要素になってくるんです。ですから、ここがひとつのキーポイントになってくるかなと。

【勝利のカギ③　エース・石川祐希選手の復調】
大会前に腰の状態不良であまり練習を積むことができなかった石川祐希選手。エジプト戦で24得点はしていますが、他の試合ではやや少ないといった印象です。

しかし、トルコ戦ではそんなエースの“復活の兆し”が。
相手のブロックを巧みにかわし、得点を決めるシーンが何度も見られました。

福澤達哉氏：
石川選手の良さというのは、「状況判断の良さ」なんですね。ブロックが来た0.何秒の間に、「打つ」か「フェイント」するか「逃げる」かというのを、瞬時に判断するんですけども、彼、これが無意識に出ているときは調子がいいときだと言っていて。トルコ戦の後は無意識に出たと言っていたので、復活している証拠だと思います。

福澤達哉氏：
最初の2節はケガの影響もあってどこか確かめながらプレーしているという印象だったんですが、ここからはエンジン全開で。トルコ戦から上がってきているので、ここからの3戦に向けてしっかりと調子を上げてきています。

勝負の3連戦　注目ポイントは？

――現在4位の日本は、これからの3戦1セットも落とせないと？
福澤達哉氏：
そうですね、非常に大事な戦いになってきますし、ほぼ互角のチームだと思っていいと思います。バレーボールは流れのスポーツなので、流れを先につかんだ方が勝つ。
そういうところで言えば、個人技、サーブであったりフェイクセットやスパイク、そこで波を作って波に乗っていけるか。ここが大事になってくると思います。