オーストリア・ウィーンで9月25日、IAEA(国際原子力機関)の総会が始まった。日本からは高市早苗科学技術相らが参加。福島第一原発の処理水放出をめぐり、中国側と激しい応酬を繰り広げた。

中国側“核汚染水”と批判…高市氏「突出した輸入規制は中国のみ」

やや険しい表情で会場に入った、高市早苗科学技術相。中国が福島第一原発の処理水放出を非難したことに対し反論した。

この記事の画像(15枚)

中国政府は処理水の海洋放出に反発し、1カ月以上にわたり日本産水産物の輸入禁止措置を続けている。中国の代表団は「“核汚染水”の海洋放出は、原子力の安全性をめぐる重要な問題だ」と今回も処理水を“核汚染水”と呼び、処理水放出を厳しく非難した。

その会場で、何やら慌ただしく動き出した高市科学技術相。黒いバインダーを広げ、硬い表情で資料を確認し始めた。その後、一転して笑みを浮かべながら登壇した。

そして、「突出した輸入規制をとっているのは中国のみです。日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」と述べた。

中国の代表団は高市科学技術相の演説中、何やら言葉を交わすと、国名が書かれたプレートを立て、反論する機会を要求した。

一方、演説を終えた高市科学技術相は「急きょ入れました、反論。ここ(IAEA総会)で言うか~。国連で言わはれへんかったのにね。最初から中国に対する反論は想定せずにきたので、バタバタでした」と話した。

高市科学技術相の退出後、中国の代表団は「処理水を海洋放出しないよう努力すべきだ」と再び日本を批判。これに、日本の引原大使は「中国には、トリチウムの年間排出量が、福島第1原発の5倍から10倍の原発もある」と再び反論した。
(「イット!」9月26日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(15枚)