青森県の弁当製造会社の駅弁を食べ、体調不良などを訴える人が全国で相次いでいる問題で、三重県のスーパーでも弁当が販売され、食べた女性が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えていることが分かった。
駅弁フェアの人気弁当に何が…
駅弁作りを手掛ける、青森・八戸市の創業明治25年の老舗「吉田屋」。しかし20日、店の前はひっそりとしていた。

青森県の八戸市保健所は、吉田屋の駅弁を食べた約300人が体調不良などを訴えていると発表した。
対象の商品は9月16日と17日が消費期限の、イクラやウニ、ホタテなどが入った海鮮系の駅弁11種類。

静岡県では約80人が体調不良となった。薬局で「海女のうに弁当」を購入し、食べたという男性は「ちょっと刺激がするというか、ピリッとするというか。下の方のご飯を持ち上げたら、納豆みたいに糸を引いていたんですね」と話す。
消費期限は16日の午後10時だったものの、男性は昼の時点で異変を感じたため、途中で食べるのをやめた。しかし、その後吐き気を催し、38.4度ほどまで発熱したという。

異変を訴えている人は、1都23県に及んでいる。
吉田屋の名物社長が生み出す海鮮駅弁は、デパートの駅弁フェアで大行列ができるほどの人気を集めていて、「惣菜・べんとうグランプリ」では、毎年のように金賞を受賞している。
吉田屋の吉田広城社長(2011年):
ホタテがギリギリしかないんですよ。売れ過ぎちゃいまして
三重県内で28店舗を展開するスーパー「ぎゅーとら」では、9月16日に全店で北海道フェアを開催し、吉田屋の「しっとりうにと大玉ほたて弁当」を174個販売した。
このうち、伊勢市内の店舗で買った駅弁を食べた女性が、下痢や嘔吐の症状を訴えた。

ほかにも、愛知県では豊橋市の50代女性と一宮市の40代男性が、県外の店で購入した駅弁を食べて下痢などの症状を訴えた。
街の人からは、不安の声が聞かれた。
男性:
ショックです、そりゃ。ちょっと控えるようになります
男性:
気兼ねなく買えなくなってくる。気を遣うようになってしまうのは、やりづらさがでてくるんじゃないかなと
女性:
釜めしとか加熱してある駅弁や、お寿司類とか、そういうものの方につい手が伸びますね
食中毒の疑いに関し、原因の特定にはまだ時間がかかるという。
(東海テレビ)