9月19日、土地取引の基準となる「地価」の調査結果が公表された。愛知県の東浦町が急上昇している。

コロナ禍からの回復が地価に反映している地域も

東浦町は知多半島に付け根に位置していて、19日に公表された「地価調査」で、住宅地の平均変動率がプラス4.6%と、去年2022年の1.9%から急上昇した。

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町民に東浦の良さを聞いた。

東浦町民:
暮らしやすいですね。色んな他の市とかへのアクセスもいいですし

町内にはJR武豊(たけとよ)線が通り、名古屋駅まで30分で行けるアクセスの良さ。

東浦町民B:
昔は本当のど田舎。それがイオンのおかげで栄えた。イオン様様だよ

2001年に町内に誕生したイオンモールのおかげで、街がにぎわっているという。

しかし、アクセスがよくイオンがある市町村はほかにもたくさんある。なぜこれほどの急上昇になったのか、専門家に理由を聞いた。

不動産鑑定士の小森洋志さん:
西三河は独自の自動車産業が非常に好調であるということで、そこに勤めている方の購買意欲も非常に高い。東浦についても西三河の需要を受け入れるような地域

トヨタ系の企業が多く、住宅地の需要が高い西三河地域では、地価がどんどん上がっているため、隣接する市町村に人が流れているという。

地価の上昇率のランキングでは東浦町が5位。西三河の刈谷市に隣接する東海市と大府市も大きく上がっているが、比較的地価が安い東浦町に人気が集まっているという。

東浦町で30年以上続く不動産会社では、ある現象が起きていた。

フジサワ不動産の社長:
トヨタ系の会社が多いですので、そういった方たちが、刈谷や大府はちょっと高いからということで、東浦に土地を求めますね

この不動産会社によると、刈谷市の住宅地の価格は一坪当たり70万円から80万円ほどだが、東浦町はその半額に近い40〜50万円ほど。やはり土地を求めて、周辺の市町村から人が集まっていた。しかし…。

フジサワ不動産の社長:
東浦は安いからってみえたんですけど、今もみえますよ。「昔みたいに安くないんだね」っていうことが多くなっちゃって

数年前までは1坪30万円台で、地価の急上昇に落胆する客も増えているそうだ。

また岐阜県では、インバウンドの回復やホテルの開業が相次いだ高山市の中心部・上三之町で上昇率が9.8%となった。

三重県では経済活動の正常化が進んだことなどから、四日市の住宅地ではバブル崩壊以降32年ぶりに上昇に転じるなど、コロナ禍からの回復が地価にも反映された結果となった。

(東海テレビ)

東海テレビ
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