78年前の記憶が、熊本県内で初公開された。熊本空襲で投下されたものと同じ、大型焼夷(しょうい)弾の実物が熊本・合志市の小学校で公開され、児童たちが手で触るなどして戦争の実相を体感した。
「布を羽織っただけで着心地良くない」
合志市にある合志楓の森小学校では、6年生の児童たちが10月の修学旅行に向けて戦争と平和について学習している。
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9月12日はくまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワークの高谷和生代表(※高はハシゴダカ)が出前講座を行い、合志楓の森小学校が旧陸軍・黒石原飛行場の敷地内に建っていることや、合志市に残る戦争遺跡などについて解説した。
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児童の代表は、戦時中の服を試着。陸軍の防寒航空服を試着した児童は「とても動きにくかったです。とても暑くて、寒い所で着ればいいんだろうなと思いました」と、ウサギの毛と皮が使われた服の感想を語った。
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また、もんぺや防空頭巾などを試着した児童は「布を羽織っただけみたいな感じであんまり着心地は良くない感じがしました」と、戦時中の資材がひっ迫していた現状を感じたようだった。
熊本初公開の「M47大型焼夷弾」
県内では初公開となる78年前の熊本空襲で3,444発投下されたものと同じ、長さ約1メートルの「M47大型焼夷弾」の実物も展示された。
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高谷代表は「瞬間的に爆発する焼夷弾ということですので、もう、逃げ惑う中での小型の焼夷弾、そして時々はこの大型の焼夷弾が落ちてくる」と解説。
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実際に焼夷弾を持ち上げた児童は「中身(爆薬)がないから意外と軽い」と口にしたが、爆薬があったら50kgになることを聞くと「重!重すぎる」と目を見開いた。
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児童たちは78年前の大きな焼夷弾に驚きながら、それが空から落ちてくる恐怖を目の当たりにしていた。感想を聞くと「核兵器とかを作ったらダメだし、人々の命を粗末に扱ったらダメだと思いました」「社会人になっても忘れずに平和のことを学んで、しっかりと後世に残していきたいと思いました」など、戦争に関心を深めたようだった。
児童たちは今後も戦争と平和についての学習を続け、10月3日からの長崎への修学旅行に臨む。
(テレビ熊本)