秋田・にかほ市に新しい飲食店がオープンした。世界に名の知れた料理人がこだわりのピザを提供し、人気を集めている。店主の夢は、店のオープンにとどまらない。

「すし職人」が「ピザ屋」をオープン

7月、にかほ市象潟町にオープンした料理店「まさえんzero」。テラス席からは鳥海山や田園風景を望むことができ、平日・休日問わず多くの客が足を運ぶ。

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提供しているのは「ピザ」。地元出身のオーナー・篠原秀和さんが食材にこだわって作っている。

まさえんzero・篠原秀和さん:
生地と、このトマトとか、チーズも何十種類もある中から選んだ

篠原さんは、実は世界で名の知れた「すし職人」。アメリカの雑誌・Who's who : Chefsで「世界の料理人トップ100」に選ばれたこともある。

東京で修業を積んだ後にイタリア・ミラノに渡って、24年間現地で創作ずしを振る舞い、2022年12月、ふるさとの秋田に戻ってきた。

まさえんzero・篠原秀和さん:
母親の死がきっかけで、実家がそのまま誰も住んでいなくて、ぐちゃっと崩れるのが嫌だなという思いとか、本能のままに楽しいことをやって生きていきたいなという思いで帰ってきた。長靴でそのまま入って来られるような店にしたいなと。うちの母親がそんなスタイルだったので、その遺志を引き継いで、本当に誰でも来られるような場所にしたいと思っている

ピザを通して“イタリアの良さ”伝える

篠原さんは、母が営んでいた食堂「マサ苑」の目の前に妻・恵さんと店をオープン。ミラノ時代にピザを作る免許を取得していたことから、店では「ミラノの味」を提供している。

まさえんzero・篠原秀和さん:
イタリアでインプットしてきたことを秋田県・日本の人にアウトプットしたいという考え。食事から、いろいろなイタリア人の考え方とか陽気さとか、私は日本人だが、発信できれば面白いかなと思って始めた

おすすめはマルゲリータだ。

佐藤愛純アナウンサー:
生地がもちもち。それぞれの食材の味がしっかりしているし、トマトがごろごろしている。バジルが香り高い。この大自然の中でいただくのが、何とも言えないぜいたく

定番メニューの5種類のほか、近くの飲食店とコラボレーションした商品も楽しむことができる。

まさえんzero・篠原秀和さん:
第7章まで頭の中にあるが、鳥海山を見ながら楽しいことをするというので、妄想が止まらない状態になっている

ーー子どものような探求心?

まさえんzero・篠原秀和さん
もうたぶん成長していないと思う、頭の中が。こんな楽しいことをしているおじさんがいるよ、ということをいろんな人に知ってもらって、携わってほしいなと思って。一緒に盛り上げていこうと言うとくさいかもしれないが、楽しいよとアピールしたい。そういう場所になれば良いなと思っている

第1章は、今回の「ピザ屋」。第2章は、移住者が中心となった無農薬レモンの栽培を予定。その後はコーヒーショップ、サウナ、バイクカフェなど地域一体で楽しめる空間を作りたいという。

篠原さんの夢はこれからも続く。

(秋田テレビ)

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